現在、デンマークでは一般に2種類のコロナ検査が受けられます。予約制のPCR検査(結果は1-2日後)と、予約不要のクイックテスト(抗原検査、結果は20-60分後)。
この1年で検査場も増え、街中にあったり、郊外のドライブスルー形式だったり、個別に検査場を設置する学校なども。行政設置の検査は何度受けても無料で、政府も国民に対してまめに検査をするよう推奨しています。
PCR検査はネット予約し、当日会場受付でカードをスキャンしてもらって受付完了、そのままブースに進んで検査を受けて帰宅。1-2日後に専用Webサイトで結果を確認するだけです。スマホからアクセスすれば、レストランなどでも手軽に提示できます。
クイックテストはお急ぎ時に重宝します。今回は教育施設を訪れる当日に、コペンハーゲン中央駅近くの検査場にて初体験してきました。
受付担当者にイエローカードを提示→スキャン→結果を受け取る電話番号を登録と、ここまで約1分です。
その後、ブースが並ぶエリアに誘導されます。検査担当者は、1人対応するごとに手袋を付け替えていました。
まず鼻をかむように指示を受け、その後に両側の鼻奥を綿棒のようなキットで擦られます。「痛くないようにするね〜頑張ってね〜」と励まされながら耐える数秒。処理の終わったキットを受け取って出口で渡して完了です。
空いている時間帯だったこともあり、会場到着から出口まで、ほんの10分でした。
目的地に向かってのんびり歩いていると、検査20分後にはスマホに通知が来ました。リンクを開くと陰性の結果が表示されており、添付されたPDFの画面を提示すれば正式な証明として使えます。施設へも無事入館できました。
たった72時間ですが、陰性結果があれば、美術館や動物園にも行ける。そう思うだけで気分も上がります。
※2021年5月現在、日本へ帰国する際には厚生労働省指定の検査方式および書式が必要です。たとえ検査形式が合っていても指定用紙への詳細記入に対応してくれるドクターに検査を依頼する必要がありますのでご注意下さい。こちらは有料かつ高額です(涙)。
市内のホテルにも赤い国旗
夏のバカンスを待ちわびる人たちはワクチン接種にも意欲的。高齢者や医療従事者等から始まった接種は、現在は年代毎に割り振る段階へと移り、周囲でも案内を受け取る人が増えてきました。
こちらも連絡・手続きは全てオンライン。予想できない副作用は心配ではあるものの、私も6月の接種に向けて体調を調えることを最優先に過ごしています。
ウイルスもワクチンもまだまだ未知のもの。何が正解かは誰にもわからないけれど、次々と前に進む対策を講じてくれるデンマーク政府には感謝するばかりです。
ふと考えてみると、中医学のベースとなる陰陽五行理論における【青・赤・黄・白・黒】という象徴的な五色。デンマークの国と国民性は国旗そのままの赤色だなぁと。
赤は炎を象徴する色なので、この色のイメージを持つ人は情熱的で正義感が強く、前向きで行動的だと言われます。
今回の検査場へ行く時も道に迷っていたら、通りすがりのマダムが会場を検索して私のスマホに詳細地図を転送した上に途中まで一緒に歩いてくれました。
そんな親切さも、日本的なおもてなしとはまた異なり、熱い正義感から来ているような印象を受けます。
寒い北欧の熱い国・デンマークの前向きな模索力。この国に住む一人として彼らから学び、今できることをしっかり続けていこうと思います。
Written by 高見節佳(デンマーク)
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