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多様性とは?Diversityのアメリカの教育現場で気付いたこと

2020年11月4日
スペイツ由美

『多様性』とは一体どのようなこと?

ここ数年でよく耳にする言葉の一つに『Diversity(多様性)』というのがあります。

皆さんもご存知のように、50の州からできているアメリカ合衆国は『多様性』無くしては成り立たないような国です。

ちょうど今から11年前の2009年に、私の住んでいるミシガン州にあるミシガン大学が、次年度の入学希望アプリケーションのエッセイの課題に『Diversity』を使いました。

そのあたりからアメリカのどこの大学でも『Diversity』関係の内容の講座などがずいぶん開催されていました。世間でもおりに触れこのフレーズを聞く機会が多くなってきたのもその前後の時期からでしょうか。

では、『Diversity』=『多様性』とは、一体どのようなことなのでしょうか。

『Diversity』と一口に言っても、そこに定義されることは、大変幅が広くまた奥が深いのが事実です。

Googleの国語辞書には「いろいろな種類や傾向のものがあること。変化に富むこと。『生物の多様性を保つ』」と表記されています。また、Wikipediaではこのような説明から始まります。

1992年6月に締結された「生物の多様性に関する条約」の全文は、「締結国は、生物の多様性が有する内在的な価値並びに生物の多様性及びその構成要素が有する生態学上、遺伝上、社会上、経済上、科学上、教育上、文化上、レクリエーション上及び芸術上の価値を意識し」という表現から始められている。<Wikipediaより>

簡単に言えば、「地球上の(生物)人間たちには、上記に記されているような生物上での多くの違いがあることを知ること、そしてお互いにその違いを批判することなく、尊重して行きましょう」ということ。

それが、この『多様性』という言葉が世界中で使われるようになった目的の一つでしょう。

 

アメリカでの一般的な義務教育におけるDiversity

アメリカでは、K-12(Kindergartenから12年生)までの13年間が一般的な義務教育ととされています。日本でいう幼稚園年長から高校三年生までの期間です。

2020年度はCovid-19の影響で、私の住むミシガン州の公立学校では、Kinderからオンラインでの授業を選択できるようになっています。

ミシガン州では未だCovid-19の感染者数が減らない状況です。お隣の州シカゴがあるイリノイ州でも、今年度は公立学校のオンライン化を選択した家庭も少なくありません。

先日、たまたまシカゴに住むKinderのママとお話をする機会がありました。彼女のお子さんは午前9時から午後3時までオンラインでKinderのプログラムを受けているそうです。

6時間のプログラムですが、家庭によっては午前だけの参加だったり、家庭の状況と子どもの状況によって選択肢があるそうです。

17人のクラスに教師が4名入ってオンライン上でグループに分けて、小さなグループでの活動をしたり、自習の時間もあり子どもたちが飽きないようにプログラムされている様子。

対面のクラスの場合、Kinderは1人の教師が最高12人まで受け持つことができますが、オンラインだからアシスタントをつけているのでしょう。

彼女がお子さんのオンラインKinderクラスの様子をこの1ヶ月見てきて印象深かったのが、教師たちがオンラインを通しても子どもたちへの声がけが多く、作業の時でも一人ひとりに丁寧に声がけをすることと。

もしも悪ふざけを始めてもけしてネガティヴな言葉は使わず、しかしはっきりと具体的にその子のした悪い行動について指摘をすることだそうです。

その時に「〇〇ちゃん、それは想定外だよ。その行動はKPクラス(Kinder Programの略)としては相応しくないよ」という声がけをすることだそうです。

『KPクラスとして』というのは、クラスでのルールにそぐわないということです。そのクラスのルールとは、Be Kind (親切に)、Be responsibility (責任)、Be respectful(敬意を表する)だそうです。

この中の「親切」と「敬意を表する」という二つは、Diversityへ繋がる意味も含みます。そして、「責任」とは自己責任の責任です。子どもの頃から個人が自立・独立する方向へ教育をしていくアメリカならではのやり方だと思いました。

もう10年前のことですが、私は大学のESL(English as a second language)へ通った時期がありました。当時の私はすでに40歳を超えていましたが、世界各国からアメリカの大学に入学した生徒たちと一緒に講義を受けたのです。

その時のオリエンテーションの最初に教授が言われた言葉も「Be respectful」でした。

会場を見回すと、中東から、アジアから、ヨーロッパからの生徒たちに溢れていました。続けて教授がこう言いました。

「皆さんには、それぞれの文化と背景、育った環境があるでしょう。これからあなた方が学ぶクラスで、あなたの隣の誰かとあなたのモラルが同じとは限りません。どうか違う国からきた隣の誰かに常に敬意を表してください」

ここで私が挙げた2つの例は教育現場におけるほんの一例ですが、Diversityの国アメリカでは、このように幼児教育の時期から当たり前に多様性を意識した教育がなされているのです。

Written by スペイツ由美(アメリカ)

スペイツ由美さんがファシリテーターをするワークショップ交流会が、2020年11月15日(日)日本時間22:00〜23:30に開催されます。

興味のある方は、こちらのページから詳細をご確認の上、お申し込みください。

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