
今回の世界ウーマンインタビューは、ブラジル在住の岩井真理さん。
真理さんは「世界回遊魚協会・会長」と周囲から言われるほどの行動的派。その場に留まっていないエネルギッシュさと、なんでも相談したくなる頼もしさに刺激を受けている人達は多いはず!
そんな真理さんの魅力をもっと探るべく、インタビューしてきました!
事務局:真理さん、本日はよろしくお願いします。まずは簡単に自己紹介をお願いいたします。
真理:こんにちは、岩井真理です。現在ブラジル、サンパウロ州カンピーナス在住です。20年以上金融業界で働いてましたが、夫のブラジル転勤を機に会社を辞めてキャリアコンサルタント&ファイナンシャルプランナーとしてフリーランスで活動しています。
ブラジルではビザの関係で仕事はできないのですが、資格や経験を生かし世界ウーマンをはじめとして、いくつかのボランティア活動で世界に住むさまざまな立場の人をサポートしてます。新しいもの知らないものにワクワクする性格で、そして言いたがりです。
事務局:ははははは! 真理さんはサービス精神旺盛ですもんね。
真理:おせっかいなんだと思いますよ。
事務局:真理さんに人が集まる理由かもしれません。では早速ですが、真理さんの海外体験についてお聞きしていきたいと思います。
真理:私の最初の海外体験は高校生2年生の時、シンガポールと香港でした。クラスメートに、お父さんが商社マンでご家族がシンガポールに駐在している子がいて。彼女は高校の寮に入っていたんですけど、夏休みにシンガポールに行くから真理ちゃんも遊びにおいでよって言われたのがきっかけです。

家に帰って母に「シンガポール行ってもいい?」って聞いたら「あら楽しそう。いいじゃない!」って二つ返事だったんです。母はそれまで海外へ行ったことなかったんですけどね。私が小学生の頃からバスや電車で通学していたのもあって、箱根行ってもいい?と同じ感覚だったのかも。
事務局:え~!距離感~!(笑)お母さんの真理さんへの信頼が厚いということですね。
真理:超楽観的な母でして。せっかくなので香港にいる叔母のところにも寄ってらっしゃいよということで、シンガポール10日、香港3日のスケジュールを立てて一人で行ったんです。
事務局:最初の海外が高校生で一人って凄い!真理さんは怖さとか不安はなかったんですか?
真理:飛行機の行き先さえ間違わなければたどり着くだろうと思ってました。それよりも英語通じるかなぁとかそっちのほうがドキドキしたかな。CAさん達が、気にしてくださってよく話しかけてくれたりして。マレー系のスチュアードさんから文通しない?って誘われて、しばらく文通しましたよ。あの時一番英語を頑張ったなぁ。
事務局:わぁ!青春ですね~。それにしても度胸ありますよね、外国人から文通しようって声かけられて気軽にいいよ!って返せるなんて。
真理:度胸があるというかケアレスというか、人見知りはしない方かもしれませんね(笑)

事務局:そんな初海外の後は、大学生の時にミクロネシア連邦トラック諸島へ行かれたとか。
真理:そうなんです。YMCAのボランティア活動のため1ヶ月半くらい滞在したんです。現地の子供たちと一緒にスポーツや文化交流などのプログラムを、ハワイYMCAと日本YMCAで合同で行いました。その時「人ってみんな違う考え方を持っているんだな、同意できないとしても、その考え方を理解しようとする努力は必要だな」と痛感しました。
事務局:へぇ! 何があったんです?
真理:ハワイYMCAのメンバーたちと一つ屋根の下で共同生活したんですけど、初日に私が「料理当番とか決めませんか?」と提案したら、ハワイの子達は「なんで?食べたい人が料理すればいいじゃない?」という返事だったんですよね。
「上手くいくのかな~、ごはんずっと食べられなかったらどうしよう」と少し不安に思ったんですけど、実際やってみたらこれがね、不思議なことに上手く回ったんですよ。誰かしらキッチンにいてそこに人が加わりながら食事の支度が整ったり、釣りが好きな子が魚持って来たり。ぜーんぜん困らなかったんです。自主性ってまさにボランティアでしょう。そこに意思があるんだなって実感しました。
事務局:日本的な考え方だと、係とかルール決めちゃったほうが早いって思っちゃいますよね。
真理:ですよね。でも海外に出たら、自分の常識や概念なんて何の意味もないでしょう?日本の常識ってほとんど通じないんだもの。だったらバイアスを取り払って、フラットな状態で「あなたの考えは何?」って聞くことがいいなと思っています。
この時の経験で感じた事は、今でも私の根底にあって。みんな違うからこそ、受け入れことの大切さがあると思っています。香港にいた時も、同じような顔をしているアジア人同士なのに、こんなにも価値観が違うことに驚かされもしたし、そういうものだと改めて認識を深めました。

香港ビジネス街の街並み
事務局:香港ではお仕事されていたんですよね?
真理:はい、旅行会社で仕事していました。この香港での就職経験で、自己責任意識が強くなりましたね。
「言わなくてもわかるでしょではなく、伝えたい事はきちんと言う」「自分で決めたことは全て自分の責任」など、学んだことは多いです。環境が悪い、周囲が悪い、タイミングが悪いって、言ったところで何も解決しないですからね。
事務局:日本と違って、期待通りに進むことって海外ではほぼ無いですしね(笑)
真理:そうなんですよね。海外では言っても仕方ない事が多くて正直、期待値のハードルはすごく下がってます。海外生活の極意は「自分の機嫌は自分で取る」だと思います。そうやってコントロールできるようになったのも、海外生活のお陰です。

事務局:香港の後は、日本に戻られたんですよね?
真理:はい。旅行業界大好きだったんですけど、香港で頑張りすぎちゃって燃え尽き症候群になってしまったんです。そのとき30代前半だったんですけど、全く違う業種の金融業界に転職しました。「今なら頑張れる!ダメだったらまた戻ればいいや」と思って。
転職先の会社は大きな会社で、そこで働く人達は優秀な人ばかりでしたけど、守りに入ってる人が多いように感じました。そんな中で「私は別に失うものはないじゃない!」って気持ちがあって。上手くいかなかったらまた別を探せばいいしと思っていたので、常に全力投球でしたね。
仕事はまず営業から始めたんですけど、徐々にいい結果が出て、それが自信に繋がっていきました。だからいつも自分で自分を縛らないようにしてました。
事務局:そこも真理さんの強みですよね~。またやり直せばいいじゃない!っていうタフさ。
真理:それは沢山失敗してきたから。私、トライ&エラー、エラー、エラーですよ!営業の仕事なんて、断られっぱなしなわけですよ。だから打たれ強くなりますよ。断られる度に「ほう、そんな断り方があるんですね」とか「新しいノウハウが増えたな」と思うようにしてました。
最悪の状況になるといつも唱えている言葉があって、「いよいよ面白い展開になってきましたよ!」っていう。
事務局:はははははは! さすが~。頼もしいな~!そうやって楽しみながらたくさんのエラーを乗り越えて、キャリアを積んでこられたんですね。
真理:そうですね~。営業、教育・育成、企業担当などを経て管理職となりました。営業開発室長として数字を追いかけ、組織経営をしました。その後は採用部門に異動となり、リクルート推進の責任者として、中途採用の仕組みを作ったり、離職率を下げるための取り組みなどしました。その際にキャリアコンサルティングの資格をとりました。

20年以上務めた金融機関で。仲間と一緒に
事務局:私以前の仕事で、採用に何度か立ち会ったことありますが、人を見るって難しいなと思ったことがあります。人を採用する時って何かポイントありますか?
真理:中途採用を担当していたのですが「この人がうちの会社に来たら幸せになれるかな?」と考えていました。会社にとっては採用する一人かもしれないけれど、個人にとっては大切な人生のターニングポイントになっているわけですよね。特に女性はライフイベントによってキャリアや生活が大きく変わることって多いですし。
皆さん現職を辞めてまで転職しようとされているわけですから、やっぱりその転職が成功だったと思ってほしいじゃないですか。なので採用するという意識よりも寄り添って話を聞くことにしていました。相手にどんな思いがあるのかを特に。そこで背中を押してあげたり、他の会社で力が発揮できそうであればその旨伝えたりしていましたね。
会社は100年以上続く老舗企業で旧態以然とした部分があって、それまでは上から目線の採用面接だったんです。女心がわかっていない人が多かったんですよ(笑)
でも、小生意気にも男性上司への苦言を呈し続けて、採用面接の会話やスキルを変えていきました。その結果、80か所の支店が集まる会社の全国大会でもそのノウハウを発表する場をいただいたりしましたよ。
事務局:さすがの傾聴スキルです。私、すでに真理さんに相談を持ち掛けたい気分です(笑)
真理:私も以前は自分でしゃべる方が多かったですよ。でも傾聴の勉強をしてからは、営業が楽になりました。以前は自分が良いと思うところを先に話していたのですが、お客さんの話を聞くことにしただけで売れるというか、要望を満たせれば買ってもらえるというか。
事務局:え~!傾聴すごい!
真理:やっぱり、相手の話を聞くことって大切だなぁと思います。あとね、私地獄耳なんです。遠くにいても話し声が聞こえてくるというか人の様子がわかるというか。「どうした?困ってる?」って声をかけると大体困ってたりしますから(笑)
事務局:頼りになるリーダーだなぁ。
真理:全体的に見る、俯瞰的に見ることは得意ですね。

事務局:まさに上司としていてほしい人ですね。そんな中で、ご主人の転勤を機に20数年務めた会社を辞めてフリーランスになるという決断をされたわけですよね。
真理:そうです。そのときの私の選択肢は3つあったかなぁと思います。
1つ目は、私はとにかくその会社で仕事を続け、夫に単身赴任してもらう。
2つ目は、会社を休職して、帯同が終わったらまた戻る。
3つ目は、すっぱり辞めて、ブラジルへ行って、これから進む道は自分で切り拓く。
もともと、定年後はフリーランスで働くことも考えていたので、少し早くそのきっかけが来たと思って、楽しい方ワクワクする方へ行こうと、3つ目を選びました。日本でフリーランスの仕事を始めてはいましたが、ブラジルに来てからはビザの関係で働けないんですよね。
仕事ない、知り合いもいない、やることないという生活が続くのはやっぱりきつかったです。3~4か月目には何もかも失った気がして落ち込みました。収入も立場もなくなっちゃったなぁって。いわゆるアイデンティティクライシスですね。めちゃくちゃ落ち込みましたけど、その体験があったので現在のボランティアや人のサポートに生かされていると思います
事務局:その落ち込んだところからどうやって戻ってきたんですか?
真理:落ちるなら底まで落ちようと思ったんです。ちょうど夫も2週間の出張でいなかったし。底まで落ちたらあとは上がるだけだろうって信じていたので。
失ったものを嘆き続けて、嘆き続けて。そしたらある時「もう~無いものは無いっ!今あることを楽しんだっていいじゃん!」に変わったんですよね。そこから「ここにいる間にできることってなんだろう。」と思えてきて、そこからパソコンをポチポチしだして、人と繋がったりボランティア活動を始めたりするようになったんです。
事務局:それからまた、エネルギッシュな真理さんが戻ってきたんですね!真理さんがお仕事や活動する上で大事にしていることはありますか?
真理:人の成長を信じることです。人って、ずっと同じではいられないんですよ。必ず変わります。「変化=成長」だと私は思ってます。その変化が怖くて避けてる人もいますが、変化って実は素敵な事なんですよね。言ってしまえば、年を取ることも成長なんです。
人の成長をサポートする上で、真実や答えってその人の中にあるんだろうなと、個々の内にあるパワーを信じて接するようにしています。既成概念とらわれたり、こうでなければいけない、というバイアスを外してその人の真ん中にある芯を見ようと心がけてます。
事務局:「変化は成長」ってとても励みになる言葉ですね。それでは、最後に世界ウーマン読者へメッセージをお願いします!
真理:まずは「自分を知り」なぜ自分がそうしたいのか、そうなりたいのか、自分の好き嫌いや得意不得意などをしっかり見つめるといいですよ。答えは、いつでも自分の中にあります。
やる気のある人、能力の高い人に限って、先に「目標」を決めたり「こうあるべきだ」というような終着点を設定してしまいがちです。それにとらわれて身動きが取れなくなっているケースもよくみかけます。ベースとなる自己理解を深めましょう。その上で自分の中から出てくる答えに向かって進んでいくとよいですよ。
事務局:やっぱり自分を知ることって大事ですね。自分を知っていることで人生の岐路に立っても、切り開いていけそうです。真理さんのようにどんな時も前を向いてさえいたら、自分の良いところが活かせる人生になるのではないかと感じます。本日は、楽しくも勇気が出るお話しをありがとうございました!
真理:私も楽しかったです。ありがとうございました!

岩井真理
キャリアカウンセラー・ファイナンシャルプランナー
キャリアコンサルタント岩井真理[Facebookページ]
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