昨年から続くインドネシアのサッカー界に光をもたらしたのが、東南アジア競技大会(SEA games)です。
今年2023年5月にカンボジアで開催された東南アジア競技大会で、サッカーインドネシア代表U-22は強豪のタイやマレーシアを破り、32年ぶりに金メダルを国に持ち帰りました。
この優勝がインドネシア国民、そしてサッカーファンに与えた希望と喜びは大きく、国全体が祝福しました。
この大会でカンボジア代表の監督は元日本代表の本田圭佑氏、ベトナム代表の監督は元日本代表チームの監督フィリップ・トルシエ氏です。日本人にとってもとても注目度の高い大会でした。
この優勝を機に、我が家の二人の小学生を含む子供たちは、元からサッカーが好きな子もそうでない子も、サッカー代表チームの選手たちの名前を口にするようになりました。
女の子たちも、まるでアイドルのようにサッカー選手のファンになった子たちが増えました。
これこそ、日本でJリーグが始まった当時小学生だった私が肌で感じたあの雰囲気です。
韓国出身のシン・テヨン監督率いるサッカーインドネシア代表チームには、オランダ、イギリス、ドイツ、韓国、日本、マレーシアなどの海外のリーグで活躍する選手たちもいます。
選手とチームのレベルが世界に近づいてきたということも、今インドネシアでサッカー人気が盛り上がっている理由ではないかと思います。
代表選手の中で日本人として注目したいのはやはり、アルハン選手です。昨年からJリーグの東京ヴェルディでプレーをしています。
日本のサッカー漫画、キャプテン翼が子供の頃に大好きだったというアルハン選手の、日本・インドネシア・世界での活躍から目が離せません。
また、かつて日本にもラモス瑠偉選手や三都主選手がいたように、インドネシア代表チームにもオランダやベルギー出身の複数の選手が、インドネシア国籍に帰化してプレーしています。
その中には、四分の一インドネシア人の血を引き継ぐ、クオーターインドネシア人の選手もいます。インドネシアの親族はその活躍をとても喜んでいることと思います。
U-20の開催国としての資格を失ったインドネシアですが、なんとこの度U-17ワールドカップの開催国に決定したそうです。
すでにSNS上ではサッカーファンたちが喜びとともに、「過去の失敗から学び、国は慎重に準備をするべき」などコメントしています。
これからも、インドネシアのサッカーがますます盛り上がり、世界のトップレベルにどんどん近づいていくことを願います。
Written by 杏子スパルディ(インドネシア)
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