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南米エクアドルってどんな国?最大の都市にして最大の港湾都市「グアヤキル」

2022年5月31日
マットン美貴子 (エクアドル)

野口英世ゆかりの地も。グアヤキルの観光地をご紹介

グアヤキルには目立った大きな観光施設はないけれど、ガラパゴスへの中継地として多くの観光客が訪れ、短期滞在しているようだ。

「ラス・ペニャス」と呼ばれる場所は石畳が敷き詰められた道の両側にネオ・アンティークなヨーロッパ調の建物が立ち並び、アーティストぽい人たちがアトリエを所々に構えていて、その独特なおしゃれな雰囲気に心が弾む。

そのラス・ペニャスの近くには「サンタ・アナの丘」に続く「444階段」がある。丘の上に続く階段の両脇には雑然と軒を並べつつも、興味をひくバーや食堂がある。

でもメインの通りを外れると、何が待っているかわからない、ちょっとダークな雰囲気もあり、楽観的な私でも気の引き締まる場所でもある。丘の上には灯台と教会があり、そこからグアヤキルの街並みが一望できる。

「イグアナ公園」の名で知られる「パルケ・セミナリオ」も、人慣れしたたくさんのイグアナたちがのんびりと日向ぼっこしていて観光客にとっては珍しい場所だと思う。

また、観光名所とは呼べないが、野口英世の銅像と「Av. Hideyo Noguchi」と彼の名前にちなんだ通りが市内にあるのも、日本人には興味深いかもしれない。

野口英世は1890年代にグアヤキルに滞在し、当時流行していた「黄熱病」の病原体を発見したと発表した。当時のエクアドルは黄熱病で大変な時代になっており、野口の功績は銅像として残されるほど称賛されたそうだ。

その「野口が病原体を発見」の事実はのちに訂正されたというが、グアヤキル市内だけでなくエクアドル国内数か所に、野口の名前にちなんだ学校などもあるという。

 

街並みの変化で安全度を肌で感じる

グアヤキルでは比較的安全そうな場所とそうでない場所の違いすぐに見分けられる。治安のよいエリアの住宅街には警備員が入り口に常駐しているし、飲食店やスーパーが近くに建っている。

治安の悪いエリアでは、コンクリートがむき出しの「建設を途中で諦めて、人がって住み始めた」感のある家や、日本では廃屋のカテゴリーに入るだろう家に人々が住んでいる。

そんな場所にある小さな商店は入り口に鉄格子があり、それ越しに客とやり取りをするシステムのようだ。

日本では眺望のいい場所に家を建てたがると思うが、ここでは逆に高台にひしめくように、あまり豊かではなさそうな人々の家が建っている。

もちろん、それほど危険でもなく、警備員つきの住宅街でもない場所にある家もあるけれど、そのほとんどが高い壁や窓に鉄格子をはめた厳つい外観をしている。

車のガラス越しに、「その場所の安全度」を理解できるのは興味深いなと思った。

 

陽気というより、おおらかな気質

微妙に始まったグアヤキル生活だが、「南米の人は陽気」という期待は当たっていた。陽気というよりも、おおらかと言う方が当てはまるかもしれない。

今、積極的に楽しいことを探し暮らせているのは、そういった人たちの影響も大きい。

スペイン語ゼロのままこの国に来たけれど、言葉の壁のせいで嫌な顔をされたことは一度もない。しどろもどろな私のスペイン語から、意図を理解しようとする姿勢は本当にありがたいと思う。

こちらで出会った家政婦さん、庭師、リサイクル回収の人、運転手、定期的に通っている美容室のスタッフ、皆さんがとても親切で言葉のせいで外出をためらうことはほとんどにない。むしろ今ではスペイン語が大好きで、「英語の勉強よりも楽しい」と思っているくらいだ。

行動範囲が広がるにつれ、おしゃれなカフェやレストランを見つけてエクアドルの美味しいコーヒーやチョコレートのデザートも楽しめるようになった。当初は「3年は長いな」と思っていたけど、折り返し地点を過ぎて寂しく感じている。

残念ながら、最近、一部地域での犯罪件数が急激に増えてしまい、このコラムを書いている現在は約2カ月の「治安悪化対処のための非常事態宣言」の最中。

今まで以上に周囲に目を配りながら、場所を選んで行動しなければいけないのは残念だけれど、できる限り残りのエクアドル生活を楽しんでいきたい。

これを読んでいる皆さんにも、治安が回復したあとに、ガラパゴスに行く途中、または南米旅行のついでに立ち寄って、エクアドルそしてグアヤキルの雰囲気を味わってもらいたい。

Written by マットン美貴子(エクアドル)

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