アメリカ在住の日本人は圧倒的に永住権保持者が多く、市民権を取らない方が大半といいます。一番の原因はやはり日本が二重国籍を認めない国家だからでしょう。
これは本当に個人の自由ですが、日本国籍を手放したくないという理由以外に考える余地があるなら、自分の思い描くライフスタイルはどんなものかを基準に決めても良いのではないでしょうか。
特に考えておきたい点を幾つか挙げると:
・頻繁にアメリカを半年以上離れることがある→永住者の場合、永住の意思が無いと見なされ永住権をはく奪される場合も。
・アメリカで犯罪を犯した場合→市民は国家によって保護されるが、永住者は強制送還対象になる。
・アメリカ政治に参加(投票)したい→市民でなければ投票権は得られない。
・アメリカ政府機関で働きたい→いわゆる公務員は市民しかなれない。
どこの国でもそうだと思いますが、永住者はビザに比べて様々な融通がきくものの扱いはやはり「外国人」。国が優遇するのは当然市民なので、永住者と言っても市民と同等に扱われるわけではないと認識しておくのは大切です。
日本国民であり続けたい理由を書き出すのも良いと思います。家族、財産、保険などの他に国民でなければアクセスできないもの、失いたくないものは何でしょうか?
アメリカに長年住んで気づいたのは、文化によって移住のパターンが分かれていることです。
例えばメキシコからの移住者は、既にアメリカに移住している親戚を頼るのが普通らしく、わたしの親戚がアメリカに住んでいないことを聞くと「親戚も誰もいないところに、よく移住したね!」と言われます。
彼らの親戚の中で一番最初に移住した人たちは、親類の居ない土地に単身移り住んだはずですが...。また中国やベトナムからの移住者は、家族単位で移住したという話をよく聞きます。
日本人は団体行動を重んじるイメージがありますが、海外移住となると個人単位が主流という印象を受けます。それだけ日本の生活水準が高く、家族で国を出ようという考えにはなかなか至らないということでしょうか。
わたしの場合は、予想以上に英語に苦戦して、「こんな状態で日本に帰りたくない。もう一年頑張ってみよう」を20年近く繰り返して今に至ります(笑)。
岩の上に3年どころじゃなかったわけですが、ようやく職も生活も自由度が増してきた今、日本に戻って新たなキャリアを築くほうが難関に感じています。
また渡米したのが成人になる前後で、国民年金の積み立てもマイナンバーもなく、トランプ前大統領が移民に対する強硬政策を打ち出した時に市民権を取ろうと決意しました。後ろ髪引かれるのは、日本にいる年老いていく両親だけですね。
今回は、アメリカの長期滞在と永住について、実体験を交えお話しました。
わたし野田は、ライフコーチングとキャリア・就職面接に関する相談も承っていますので、ご興味ある方はインスタかウェブサイトからお気軽にご連絡ください。次回もお楽しみに!
Written by 野田リエ(アメリカ)
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