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3歳から12年間の海外暮らしを経て、高校の帰国子女入試に挑戦

2022年1月8日
伊藤結子 (イギリス)

隔離という制限下での受験生活

強制隔離の施設では窓が開かず、換気をすることもできず、受験勉強ができるスペースは、直径30cm程度の丸いテーブルだけでした。

6日間の閉鎖的な環境の中でずっと母子で過ごしていると、息子の様子がなんとなく分かるので、そんなにテレビや動画ばかり見ていて大丈夫かななど、お節介なことばかり考えるようになってしまいました。

「ずっとyoutubeを見ているな」と思っても、実は数学の問題の解説動画を見ていたりと、現代っ子の勉強の仕方は予想がつかない時もありました。

強制隔離のホテルの閉鎖的な環境の中で、4日目にお互い爆発し、本音をぶつけ合うという事件が勃発しました。

息子もかなり追い詰められていたのでしょう。

「こんな小さいテーブルじゃ勉強できないんだ!」と言われて、フロントに電話して訊いてみたものの、机は充てがわられず、代わりに半日後に段ボールを差し入れてもらうというようなこともありました(笑)

お互いに初めての挑戦、未知の体験の中、不安が募っていました。

息子がどんな不安を感じ、何を求めているのか、応援するために、寄り添うなめには何をしたら良いのか。本音をぶつけ合えられたのはよかったです。

日本に家がない私たちは、この受験の待機期間中は、Airbnb の宿をとっています。

口コミを読んで静かなところだと思ったのに、実は最近になってお隣の部屋がレンタルスペースになっており、この年末年始の連日連夜、お隣の部屋はパーティーをして盛り上がっていました。

夜中まで眠れなくて、大家さんに相談して対応してもらいました。また、息子がハウスダストに弱く、アレルギー症状が出てしまい、体調が悪くなってしまいました。

空気清浄機を用意したり、掃除をしたり、家に長時間居ないようにして対応したり、予想外のことがたくさん起こって、次から次へとやることが盛りだくさんです。

私自身は環境の変化には強い方なのですが、みんながそうと言うわけではありません。受験という特殊な一時帰国で準備しなければならない事は予想以上にたくさんあることを実感しています。

もしかしたら、この春からは寮生活になり、私の元から巣立っていくかもしれない息子。隔離生活期間も含め、こんなにガッツリと寄り添う事はもう二度と来ないかもしれない。

私の本音を言ったら学校なんてどこでも良い。こうやって日本に帰ってきて受験に向き合った日々が今後の糧になればいいな、と陰ながら見守っています。

ただただ健康でいてほしい。今後も自分を信じて、やりたいことに向かって突き進んでくれたらなと考えています。あと少し、この生活は続きます。春はもうすぐそこだ!

Written by 伊藤結子(イギリス)

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