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海外にいても選挙に行こう!在外投票と日本との違い、当日の流れをレポート!

2021年11月12日
宇佐美美和子 (チリ)

投票後の在外選挙人証(裏面)

海外からの投票に必要な手続きとは?

海外に居住する日本人が投票する方法は、全部で以下の3つの方法があります。

・現地日本大使館等へ出向いて投票する「在外公館投票」
・日本国内の市区町村の管理委員会へ直接投票を郵送する「郵便投票」
・日本へ一時帰国した場合などに日本国内で投票する「日本国内における投票」

このうちのいずれかを選択して、投票することができます。(詳しくはこちら

どの方法を取るにしても、まず最初に必要なのは「在外選挙人証を取得すること」。在外選挙人証は申請に基づいて交付されます。この手続きなしには、投票することはできません。

ここが最初の関門のようで、私の周りからは「在外選挙人証が必要なことを知らなかった」「手続きがよく分からずそのままだった」といった声もちらほら。

確かにHPを読むと、細かな説明やダウンロード書類がいろいろと書いてあり、「なんかよく分からないし、家にプリンターないし、また今度でいっか!」とそのまま数年が経過…といった経験は、私も身に覚えがあります。

とはいえ、パスポートを持って大使館へ行けば係の方が記入用紙を出してくれますし、書き方でよく分からないところはその場で教えてもらえるので、実はとても簡単。ものの5分ほどで手続きは完了します。(申請手続きについてはこちら

ただし、書類を提出してから選挙人証発行までには数ヶ月かかります。私も手続きしたことをすっかり忘れた頃に、選挙人証が届きました。

最近では、国外転出する際に在外選挙の登録申請ができるようです。これから海外に住む方にとっては、これが一番便利な方法かと思います。

次回の国政選挙は、2022年7月25日の参議院議員任期満了による選挙。あと半年以上ありますが、在外選挙人証の発行には時間がかかるので、まだ取ってない方は今のうちに手続きをしてしまいましょう!

 

海外にいるからこそ感じる思いを一票に

チリの中距離移動では2階建の高速バスが一般的

今回在外投票をして感じたのは、「海外の地方に住む人にとっては、投票へのハードルが高い」ということ。

私はチリの地方都市に住んでいるため、会場まで行く時間や費用を考えて、「郵便投票」も検討しました。

でもちょうどその頃、日本宛に出していたエアメールが到着までに1ヶ月以上かかったことや、以前利用したDHL等の国際宅配便も費用・日数ともにかかったことなどを考慮し、「在外公館投票」を選択しました。

ですが、この選挙のためにタクシーや高速バスを乗り継ぎ、大使館までかかった時間は、なんと片道4時間!

仕事が忙しかったり子供がいる人にとって、こういった時間や労力をかけるのは難しいと思います。私は高速バスで行ける距離でしたが、飛行機に乗る必要がある人にとっての負担はもっと大きいはずです。

海外に住む邦人人口が増え続けている現状を踏まえると、インターネット投票など、今後もっと投票しやすい仕組みが導入されていくことを望みます。

そしてこういった国や制度へのお願い以上に最も大切なことは、私たち有権者が選挙に行くということ。

日本で女性に参政権が認められたのは戦後。そして在外選挙ができるようになったのは2000年から。いずれも先人たちが苦労の末に築き上げてきた価値ある権利であり制度です。

海外に住んでいると日本のことが恋しくなると同時に、日本に住んでいた時以上に日本の問題点に気づいたり、もどかしく感じたりする機会が多い気がします。

もっと日本がいい国であって欲しい。だからこそ、日本の未来に対して意思を示したいと私は思います。

現在私たちが当然のように享受している選挙権も、公平な選挙も、歴史や世界を見渡せば決して当たり前のことではないはず。

この貴重な機会に感謝すると共に、日本とその未来のために、海外にいてもみんなが一票を投じるようになることを願っています。

(注)手続き等について詳しくは外務省や総務省などのHPからご確認ください。

Written by 宇佐美美和子(チリ)

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