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世界ウーマンを3年間運営してみて思うこと

2021年10月19日
藤村ローズ (オランダ)

新型コロナショックをプラスの影響に

そして1年が経ち、最初の目標「1年間コンスタントに運営する」を達成した。1周年記念には、世界ウーマン初めてのオンラインイベントを開催した。

その頃はまだ参加者もなかなか集まらず、個別に声掛けをしてなんとか集まってもらい、人前で挨拶をすることにも慣れていなかった私は、一語一句書き込んだ原稿をガクガク震えながら読み上げるような状態だった。

なんとか無事に終わって手応えを感じ、「この調子でぐいぐい成長していこう」と思っていた矢先の2019年12月、中国で新型コロナウイルスが発生がした。

マカオ在住の事務局のさと子さんからマスク不足の話などを聞いて、今までとは違うものを感じてはいたものの、まさかそのまま世界が1年半以上ストップするとは夢にも思わなかった。

母一人子一人で生活しているので、「感染しては絶対に困る」と思った私は、かなり徹底した自粛生活を続けた。そのことが結果的に世界ウーマンにはプラスに働いた。

ロックダウン前はアテンドの仕事なども受けていたし、子供の送迎などで外出が多かった。それに対して、サイト運営は黙々としたPC作業が必要で、十分に作業時間が取れていなかったように思う。

それがほぼ24時間家にいるようになって、PC作業に集中できるようになった。その頃には参加者数も増えてきていたので、世界各地のリアルな新型コロナの現状を伝えられるサイトだったのではないかと自負している。

コラムニストさんたちも自粛生活を余儀なくされたので、書くネタに困ることもあったが、お互いにアイデアを出し合って乗り越えることができた。その結果、おのおの執筆力が上がったはずだ。

いつ自分自身が感染するか分からない恐怖やいつ終わるのか先の見えない自粛生活、息子以外の人に会えない人恋しさに発狂しそうになる時もあったが、どうすることもできない時はできることを粛々とやるしかないと思う。

 

世界初?オンライン世界一周旅行が大成功!

金沢のおめでたいかまぼこ

そうこうしている間に2周年の日が近づいてきて、記念イベントの企画を始めた。世界ウーマンで今できることを考えた結果、「オンライン世界一周旅行」を開催することにした。

自由に移動ができなくなった今、気持ちだけでも旅行気分を味わってもらいたい、世界ウーマンネットワークを生かして、世界の「今」の様子をお届けしたいと思った。

今ではオンライン旅行も増えたが、当時はまだほとんどなく、全てが手探りの状況だった。アイデアを試してみては、試行錯誤の連続。今思えば、限られた準備期間でよくあれほどのイベントができたのが奇跡のようだ。ひとえに関わってくれたメンバーのおかげだ。

オンライン世界一周旅行は大きな転機になったように思う。アイデア次第でいろんなことが実現できること、素敵な女性たちのパワー、そして世界ウーマンネットワークの素晴らしさ。

参加費は無料だったが、投げ銭で集まったお金から出演者たちにギャラを支払うことができた。労働量に対して十分な額とは言えなかったが、それでも何かしら対価が発生したというのは大切なことだと思っている。

仕事には、やはり報酬というのは必要なものだと思う。報酬が伴うことによって、責任感やモチベーションの向上にもつながるはずだ。

私は専業主婦をしていた期間、夫の稼いだお金を使わせてもらう罪悪感のようなものを感じることがあった。家族のために家庭内の仕事をしているので、夫の収入から使わせてもらう権利はあると頭では理解できるものの、給与明細やインボイスがない世界では自分の収入としての実感が全くない。

養ってもらわなければ生きていけない大人になったようで惨めに感じることがあった。実際、社会から離れて長くなると、社会的スキルも落ちてくる。

妊娠や子育てなどでブランクが生じても、細くてもできるだけ続けた方がいいのが女性のキャリアではないかと思う。「いつどこに住んでも自分らしく」が世界ウーマンのテーマの一つだ。

私も「自分のことなんて何もできない」と腐らずに、「いつか起業したい」という気持ちで隙間時間にビジネスプランを練り続け、できるボランティアを続けていたのが、後に生きてきているように思う。

次のページようやくビジネスとしてのスタート地点に

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