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アメリカ大企業への就職は面接の連続?!アメリカの就活・転職事情

2021年8月13日
野田リエ (アメリカ)

有能な人材に目を光らすタレント・アクイジション

今回はわたしのアメリカ大企業での就職面接についてシェアします。米系企業の一般的な面接パターンですので、外資で働くことを考えている方の参考になれば幸いです。

ある日、わたしの元へ日本にも進出している某有名企業のタレント・アクイジションを名乗る人物からメールが届きました。

「やあ、リエ。君、興味深い経歴持ってるね。都合よければ、ちょっと話さない?良かったら下のリンクから僕のカレンダーに予約入れて。またね」

かなり大雑把な意訳ですが、アメリカらしいフレンドリーな、色眼鏡で見ると慣れ慣れしく自信満々なメールが来たのであります(笑)。

タレント・アクイジションとは、日本で言うヘッド・ハンターもしくはリクルーターにあたります。彼らの主な仕事は、有能な人材をスカウトして候補者を集めること。

アメリカ最大のビジネス系SNSのLinkedIn(リンクドイン)を巡回しては、目ぼしい人物を見つけてコンタクトを取るのです。

彼らとのインタビューは「スクリーニング」と呼ばれ、応募者として見込みがあるかないかを判断されるもの。電話で20分から30分程度で行われるのが普通です。これは日本でも同じでしょうか。

「タレント・アクイジション」と名乗る人物から連絡があったら、「第一のふるいにかけられるんだな」くらいに考えておきましょう。

彼らは募集がかけられている職種のエキスパートではありません。人材を希望している部署からのデータシートに基づく会社紹介とあなたの職歴やパーソナリティについて話しをし、見込みがあると判断されれば部署の担当者に情報が共有されます。

 

土俵に上がれたと思いきや、予備面接だった

ところでこの企業、実は過去にネットから応募したことのある企業だったんです。その時はうんともすんとも反応がなく微妙に印象が悪かったので、「未来の本番へ向けての練習だ」くらいの気持ちでスクリーニングに臨みました。

メールから感じた印象よりもずいぶん話しやすかった担当者と意外に話が弾み、数日後に募集がかかっている部署のマネージャーとの30分のビデオ面接のオファーがメールでありました。スクリーニング突破です。

行けるところまで行ってやんで。失うものは何も無い。

「こちらが担当者を逆に面接してやるわ」という心意気で、先方のマネージャーとみっちり30分面接しました。

あらかじめ決められた質問事項があったようで、「もうひとつ聞きたいことがあったんだけど、時間がなくなってしまった」と言われ、「日を改めて追加面接を組んでいただいても結構です」と返すと、「いや、いい。君にはパネル面接に行ってもらう」とのこと。

「うわ、なんかカッコ良い~」と、一瞬、雰囲気に飲まれそうになりましたが、「パネル面接」と聞いて若干気持ちが暗くなりました。4,5人の面接官に囲まれて質問攻めにあうことを想像したからです。

同時に、土俵に上がったと思ったのは大きな勘違いだったことにも気づきました。

本陣だと思っていた場所は、脇本陣だったのです。後日「ラウンド1進出おめでとう」という旨のスケジュール確認のメールが届き、道のりの長さを感じました。

 

パネル面接の結果

フタを開けてみると、この企業のパネル面接の形式は5人の面接官と個別に30分ずつ話すものでした。

これはコロナの影響で、全てビデオ面接で行われたせいかもしれません。オフィスで行われていたら、5人の面接官を一度に相手にすることになっていたのかも。

どちらのほうに利があったのかは最早分かりませんが、とにかく最善を尽くしました。30分の休憩を入れて、合計3時間の長丁場。終わった時には、さすがに喉がカラカラになっていました。

割と好印象で全ての面接官との面接を終えられた気がしていましたが、結果は落選。一週間ほど経ってから、次のラウンドには進めない旨の簡潔なメールが届きました。

お礼のメールに「後学のために、面接官から具体的なフィードバックがあったら教えてください」というメッセージも加えましたが、返事はありませんでした。

ネットで見る面接後の対処に関する記事では、こうしてフィードバックを求めることはよく推奨されているものの、わたしの経験では一度も返事があったことはないです。企業の規模が大きければ応募者も多いでしょうし、こういうのは機械的に処理されてしまうのかもしれないですね。

失うものはないと思ってはいても、次のラウンドへ進めないという知らせにはさすがにガッカリしました。自分から断るのと、相手から断られるのとでは、気分が全然違いますよね(苦笑)。

もっと相手のニーズを探る質問をすれば良かったという反省点もあるので、次の機会にきっと活かそうと思ってます。最高の日々は、これからです!

アメリカ企業での面接レポート、少しでも参考になれば嬉しいです。次回もお楽しみに!

Written by 野田リエ(アメリカ)

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