自宅前の道を馬に乗った警察がパトロール
観光用だったり衛兵のような「見せるための騎馬警察」というのはこれまでも見たことはありますが、街中で通常業務のように馬に乗っている警察がいることにビックリしました。
車やバイクでよさそうなものを、なぜあえて「馬」?!
理由が分からずモヤモヤしていたところ、ある日知人から、「渋滞中、悪い人たちっぽい集団を追いかけて、馬に乗った警察が道路沿いの芝生レーンを猛スピードで走り抜けていきました」という報告を受け、やっと理解できました。
確かに、地響きがする勢いで大人が走り去って行ったと思ったら、30秒後に猛ダッシュの警察集団が走ってくるという白昼の本気チェイスを目にしたことがあります。
馬を使用する本当の理由は未だ不明ですが、いずれにせよ、どんな道でも場面でも追いかけることができる装備というのは重要なのかもしれません。
首都サンティアゴ メトロポリタン大聖堂内部
チリは人口の大半がカトリック。最初に聞いた時に思ったのは「教会の装飾が豪華なんだろうなぁ〜」という程度のものでしたが、思っていた以上に宗教の影響が強く、保守的であることに驚きました。
カトリック国のチリでは基本的に人工妊娠中絶が禁止されていますが、以下の場合は例外的に中絶が認められています。
1)強姦や近親相姦による妊娠の場合
2)母体の生命に危険が及ぶ場合
3)胎児が生存不可能な場合
なんとこの例外条件が認められるようになったのは、2017年から。逆にそれまでは国全体で、いかなる理由があろうと妊娠中絶は完全に禁止されていました。
そんな中、チリ初の女性大統領ミチェル・バチェレが中絶禁止法の緩和を最大公約のひとつとして掲げ、2期目にして改正にこぎつけた、という経緯があります。
スペイン語のレッスン中にチリ人女性講師からこの話を聞いた時はとても驚いたのですが、歴史や宗教・倫理観が絡んだセンシティブな話題でもあり、突っ込んだ質問や意見などはなかなか聞ける雰囲気ではなかったです。
中絶自体には賛否両論あるものの、それぞれが色々な事情を抱える中「選択肢がない」というのは、違法な堕胎で女性に危険がともなったり、世代を超えた経済格差が続く側面はあるように思います。
2021年のチリのジェンダーギャップ指数ランキングは世界70位。今後も女性の声が反映される社会になっていくことを願っています。
以上、あくまで私の主観ですが、「チリに住んでビックリしたこと5選」でした!
皆さんの住む国ではいかがでしょうか?ビックリすることや発見に溢れているのが、新しい所に住む面白さだと思っています。
Written by 宇佐美美和子(チリ)
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