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私と仕事の関係修復ジャーニー。仕事って温かい世界だったんだ

2021年8月7日
野林薫 (オーストラリア)

仕事は意識の向け方でどうにでも変わる?

日本で金融OLをやっていたあの20年間を思い返す時、これと言って特筆する思い出が浮かんでこない。あの頃の私は「仕事をする目的」など考えたことがなかった。

学校を卒業したら社会に出て働き、お金を稼ぐのが当たり前で、みんながやっていること。これがあの頃の私の「仕事」に対する考え方で、そこには何の感情も抱いてはいなかった。

ただ言われるがままに就職して、終身雇用という風潮の中、「仕事は辞めるもんじゃないんだ」と、ただなんとなく盲信し、会社にただただ通い続けた。

毎年、定年退職するたくさんの上司達を見送りながら、無感情人間のように会社に通い続けた。仕事に喜びや楽しみ、やりがいなどを感じた事は一度もなかった。

20年もあの職場に通っていながらこんな事を言うなんて、結構衝撃的かもしれないが、いや、本当にそうだった。

「宝くじ当たったら仕事なんてしなくていいよね」という言葉を以前はよく耳にしていた。「仕事とは、できるならばしないほうがよいもの」という考えを信じていた頃によく聞いていた言葉だ。

果たして本当にそうなんだろうか?仕事ってもしかすると、自分の意識の向け方でどうにでも変わるものなんじゃないんだろうか?

 

仕事を「私への愛」と受け入れた時

現在私は、メンタルヘルスサポートワーカーとして、グループホームに住む精神障害を持つ人々の自立支援を仕事としている。

この仕事は私の人生で4つ目の仕事になるのだが、この仕事には「私はこの仕事に導かれた」ような感覚を抱いている。仕事に対してこんな感覚を抱いたのは人生初だった。

この「導かれた」という感覚が私の中に「仕事への意識革命」を起こした。この事により、以前は全くと言っていいほど感じていなかった「感謝」という感覚を仕事に対して抱くようになってきた。

そして、「感謝」が私の目をこじ開けて、広くものを見る事を教えてくれる事に気が付いた。それでもまだまだ視野が狭い自分を思い知らされる毎日だが、でも、導かれたこの道を信じて進んでいこうと思えるようになった。

この先どこに辿り着くのかというよりも、日々、私の視野を広げようと働きかけてくれる世界に存在できているということに感謝を忘れずにいることが、私にとって重要な気がする。

仕事とは私にとって、そんな温かい愛に満ちた世界だったんだ。過去に私が嫌っていた仕事たちも、実は同じだったんだ。ようやく仕事と私の真の関係に目を向けることができるようになったような気がする。

仕事と共に歩む私の人生に期待が芽生え始めた今、南半球シドニーに春がそこまで来ている。

Written by 野林薫(オーストラリア)

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