MENU

夏真っ盛り、パレルモっ子の夏の過ごし方は?

2021年8月3日
桜田香織 (イタリア)

シチリアの海、透明度は抜群!

イタリア人はヴァカンスに真剣に取り組みます。夏休みはきちんと計画を立てて海へ山へと繰り出すのですが、そういう意味では北イタリアや内陸部に住んでいる人の方が熱心に計画を立てるようです。

シチリアの沿岸に位置するパレルモの人は、実はそれほどでもありません。だってすぐそこに海があるのですから。

わざわざ長期の休暇を取らなくても、仕事の後、または週末にちょこっと海へ出かけることができます。一般的にシチリア人は海を愛し、夏は海へ行かなければ死んでしまうらしいです(笑)

ですから去年も夏前にロックダウンが解除された後、感染者が激増するという事態に陥りました。今年も6月には解除されましたが、今のところ通常モードの生活です。

休暇を取らなくても簡単に海へ行く事のできるシチリアでは、3月に入れば、お天気の良い日にビーチへ行く人が出始めます。

平日であっても海際に散歩へ出ると、大勢の学生さん達が水着や上半身裸でボールを蹴ったり海へ入ったりしているのを見かけます。学校サボりまくりですね(笑)

帰宅すると日に焼けているし、荷物からパラパラと砂が落ちてくるので、親御さんにはバレバレだそう。そしてその親御さん達も昔同じ事をしていますから、強く叱る事ができないそうですよ。

 

パレルモのビーチ事情

同じビーチでも、有料と無料のスペースが区切られています

パレルモのビーチでの過ごし方は、大きく分けて3タイプあります。

まずは無料のオープンビーチ。バスタオルを持参すればいつでも好きな時に行くことができます。家族連れはパラソルだのデッキチェアだの、お弁当も抱えて行くので、結構な荷物。

この場合、トイレへ行きたくなったら最寄りのバールへ入り、何か買ってからお借りすることになります。

次はパラソルやデッキチェアを貸し出してくれる、有料スペース。パレルモっ子の通う「モンデッロビーチ(mondello)」では、パラソルとデッキチェア2つで22€が今年の相場で、1回ごとに支払いをします。

有料スペースにはトイレ、水シャワー、バールが設置されているので、1日いても基本困ることはありません。家族4人でこの値段でしたらリーゾナブルに子供を遊ばせ、大人はリラックスできますね。

モンデッロから少し離れたマイナーな場所だと、もう少し低い価格設定の所もあります。この手のシチリア版「海の家」は広いビーチにズラっと並んでいますが、週末はどこも大混雑で、お昼前になると満員。

そうなると別の場所を探さなくてはいけないので、早めに行動した方が良いでしょう。

左:出遅れるとこんなに並びます、右上:無料スペース、右下:有料スペース

最後はシーズンパスを発行している所です。サービス内容は2番目と同様ですが、3ヶ月のシーズンパスを購入し、場所によっては自分のスペースがきちんと確保されます。

毎回同じパラソルの下・・・という事で、自分が行かなかったからと言ってその場所に他の人が座ることはありません。

シーズンパスの価格はまちまちで、スペース確保の場合は一番海際が一番高く、二列目、三列目・・・と価格が下がっていきます。大体今年の平均は400€くらいだと聞いています。

シーズンパスを購入した場合、毎日行けばお安くなりますし、行かないと割高になってしまう。どちらが良いかはその人の考え方次第です。

設備が備わっているスペースは、6月15日から9月15日の3ヶ月間がシーズンとなります。

 

海で遊ぶ時のびっくりルール

話は少々飛びますが、イタリアには海で遊ぶ際の驚きのルールが存在します。

それは「食事をしてから3時間は海へ入ってはいけない」というものです。初めて知った時にはびっくりしました。

以前通っていた海のクラブ、毎年同じメンバーが顔を合わせるので仲良くなります。小さな子供連れの家族と知り合いになり、一緒にランチを楽しんだりしていたのですが、ランチ終了後3時間の待機タイムがある事を知りました。

子供達は勿論すぐに海へ入りたい、それを親が止めるのです。何度も時間を聞きに来る子供達に、親達は「あと2時間、あと1時間半、後40分・・・」と答える。

シチリアのランチは1時くらいから始まるので、早くても終わるのは1時半頃。その後の3時間といえば1日で最も気温が上がる時間になります。

その時間に海へ入れない可哀想な子供達。これは食べた後は血液が胃に集中していて頭に十分な血液が回らないので危ない、もしくは海水で胃が冷えると消化不良を起こすからという事らしいです。

このルール、子供だけではなく大人にも通用していて、そんな事を気にしない私が食後に泳ごうとするとみんな必死で止めるのです。「絶対に危ない」と言って。

こんな小さな湾もあり、人がぎっしり

海辺で食べれば何でも美味しい。でもその後泳いではいけないって??こんなルールが存在する国、他にもあるのでしょうか?

私は子供の頃から夏中を海で過ごしてきましたが、食後すぐに泳いでましたけどね。

100歩譲って、冷たい海に頭から飛び込むのなら危険かもしれませんが、水温も高いし、足からゆっくり入れば何の問題もないと思いますが、違うかな?

ちょっと車を走らせれば、すぐに海水浴場に辿り着けるパレルモ 。周りに何もない小さな湾もあちこちに存在し、「わざわざ海へ行く」という意識がありません。

私は家から5Kmくらいの海の家へ通っています。夏の間の3ヶ月、岩場に足場を組んで小さいながらも居心地の良いスペースができあがっています。

大抵午前中に行き、ランチは帰宅して家で食べますが、時々パニーノを買って午後まで残る事もありますし、家でランチをしてから再び舞い戻る事も可能です。

海のある暮らし、考えてみたら贅沢な話だと再認識しています。

ここ数年私が通う海のクラブ、この板張りの下は岩場です

Written by 桜田香織(イタリア)

この投稿をシェアする

イベント・セミナー一覧へ
コラム一覧へ
インタビュー一覧へ
ブックレビュー一覧へ
セカウマTV一覧へ
無料登録へ