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デンマーク家具の魅力とは。決断力も試される?北欧家具の選び方

2021年6月30日
高見節佳 (デンマーク)

インテリアショップ、パウスチャン。奥には銀行時代の金庫室の重厚な扉

コペンハーゲンは街がまるごとショールーム

「せっかくデンマークにいるのだから、デンマーク家具を揃えたい」昨年から夫から主張されていたプロジェクト。

今のアパートにあるのは夫が独身時代から使っている家具のため、作業台と見紛うような巨大かつ堅牢なテーブル等は今のスタイルに合わないのでは、と心配したことから思いついたようです。

ロックダウン中に情報を集め、まずはダイニングテーブルと椅子を購入するべく、様々なお店を巡りました。

私たちがイメージする北欧家具は、1940年代以降のものがほとんど。

職人の確かな技術や過去の重々しいデザインからの脱却、王立芸術アカデミーの教育プログラムなど人気を得た理由は多くあるようですが、結果的に心地よい時間を過ごすことのできる家具を購入できる機会が増えたことはとても嬉しいものですね。

美しいデザインの数々はロイヤルコペンハーゲン本店や有名なホテル・レストランの多くでも使用されているため、よく見てみると、本来の店舗以外でも毎日のように目にする機会があることに気付きます。

コペンハーゲンは街がまるごとショールームのようなんです。

最終的に購入したのは日本にもショールームがある有名な2店舗なので、今回はこちらの家具を中心にご紹介します。

 

世界的に有名な椅子、Yチェア

代表的なYチェアとダイニングテーブル、ウォールナッツ材のもの

カール・ハンセン&サン(Carl Hansen & Son)は100年以上の歴史を持つ家具メーカーで、20世紀を代表するデザイナー、ハンス・J・ウェグナー(Hans J. Wegner)の作品を最も多く制作・販売しています。

ウェグナーは生涯で500以上の椅子をデザインしたと言われており、その中でも有名な作品の一つが「CH24」。

背板のデザインから「Y(ワイ)チェア」や「ウィッシュボーンチェア」の名前でも知られる優しい印象の一脚は、実際に座ってみるととても快適。軽くて扱いやすいこともあり、即決してしまいました。

もともと私の好みは中世ヨーロッパの重厚な家具や中国明時代の流線的な家具。そのため軽やかな印象の北欧家具を使いこなせるかなという気持ちもあったのですが、Yチェアはなぜかとても親しみやすいのです。

実はウェグナー自身も中国明時代の家具に影響されたデザインが多く、これもその一つということで納得です。

背板からアームまで繋がるカーブは素材を蒸気に当てて曲げる「曲木」と呼ばれる技術が用いられているそうです。柔らかな流線型と高すぎず低すぎない背板の安定感、そして私には軽さもポイントでした。

また座面はペーパーコードと呼ばれる紙縒りを編み込んだもの。意外な素材ですが、がっしりとした体格の方が多い北欧でも長く愛される理由は、包み込むような座り心地と見かけによらない強靭さでしょうか。

使うことで馴染み、将来的に張替えが必要な時にもきちんと対応してくれるそうです。

椅子については他にも候補があったものの、いざ座ると背板の高さが合わない・重い・腕が当たりやすい等もあり、Yチェアの使いやすさに軍配が挙がりました。本当に家具って試してみないとわからないものですね。

 

決断力も試される北欧家具の選び方

カール・ハンセン&サンのショールーム

椅子は即決したものの、大変なのはこの後でした。さすが本店だけあって、Yチェアだけでも数十種類ある上に、決めることがたくさん。

素材は重厚な色合いのウォールナット、ナチュラルなオークなど多種多様。無加工・石鹸水仕上げ・オイル仕上げ・カラー塗装などフィニッシングでも風合いは変わり、加えてペーパーコードの色や、クッションを希望する場合には布かレザーか、革の種類や色・仕上げ・厚みまで、なんとも面倒、、いえ幸せなチョイスの数々。

どれも素敵で決められないし、もう目を閉じて指差しでもいいかなぁ(あくまでポジティブな意味で)、なんて思う私に対し、北欧人の夫は質問もマニアックで一切の妥協をゆるさない姿勢。

とはいえ私の意思を尊重してくれたのか「どれでも決めていいよ」との言葉に素直に選んだところがあえなく却下。「それだけは選ばないで…」と言われたのは、乳白色の素朴な風合いを持つビーチ材=ブナでした。

理由はまさかの「学校にいるみたいだから」とのこと。北欧の学校や図書館など公共施設にある家具は殆どがビーチ材だそうで、マネージャーさんも「そうだね、僕も自宅には…」と苦笑い。

日本人にとっての北欧らしいイメージが、当の北欧人には寛げないものだとは。。ということでテーブルと合わせたオーク材に落ち着くこととなりました。

一方で、オーク材のスクエア型と決めていたテーブルにも予想外のハプニング。希望のデザインでは大柄な夫の膝が天板裏の補強材に当たってしまい、落ち着いて座れない。。

「この場合は他のデザインを選ぶしかないですね…」とのアドバイスにより、素材はオークのまま、私希望のオーバル型に決定しました(喜)。

こちらもウェグナーのデザインで、ボートをイメージした流線型が美しい一脚です。

2.4mのテーブルは中央で分離することができ、その間にエクステンションボードを挟むことで最大16人仕様までのオーダーが可能。

16人仕様、5メートルのものは流石に機会が無さそうなので、10人仕様でのオーダーに。制作に約10週間、届くのは夏のバカンスも終わる頃。のんびりと待ってみます。

次のページもう一つの椅子、もう一つのハンセン

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