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アントワープ市民にこよなく愛される老舗レストランカフェ”Elfde Gebod”

2021年6月14日
ホーゲデウア容子 (ベルギー)

ここでビールを飲むべしという掟

ここは、アントワープにある老舗のレストランカフェ“Elfde Gebod(十一戒)”。レストラン自体は40年前のオープンだが、建物は1425年に遡る。

フランダースの犬で有名なルーベンスの絵画のある「アントワープ聖母大聖堂」の裏手にたたずむこちらは、アントワープ市民、そしてオランダ人にも愛され続ける、ちょっと不思議なカフェレストラン。

このコロナの規制が緩和となり、やっとレストランやカフェのテラスに営業許可が下り、街は息を吹き返した。

街の中心部は大勢の人で賑わっており、お店の予約は取れず、椅子取り合戦ならぬ、テーブル取り合戦。街をブラブラしながら、空いているテーブルを探すといった調子である。

お約束の市庁舎広場をうろうろ歩き始めると、大きな聖母大聖堂の裏手のくたびれた感じのレストランになぜか沢山の人。中には、教会で見る像がやたらに飾ってある。

普通に考えたら場末のパブなのだが、オランダ人の夫が、「ここ、有名なんだ!学生の時は、よくここで待ち合わせをしたものだ」と大興奮。

「何がそんなに特別なの?」もっとおしゃれなところに座りたいんだけど…なんて思いながら聞いてみると、「ほら、このタイトル見てよ、モーセの十戒ならぬ、モーセの十一戒は、ここでビールを飲むべしというのが掟らしい。それから、それから、、、」とふざけたルールが続々。

うぐぐ、なんだか、ちょっとこのユーモアのセンスってなんなの?と興味が湧いてきた。久しぶりに会う夫の弟とも待ち合わせをしているので、ここなら彼も知っているとのこと。

「え、そんなに有名なの?」「そりゃそうだよ!アントワープと言えば、このレストランなんだよ!」「本当に??」と思いつつも、雨の中、とりあえずテーブルはゲットできたので席に着くことにした。

 

老舗レストランカフェで、聖書を学ぶ?!

右下:アベマリアのサラダ、牧師のサラダなど聖書の勉強をしているよう?!

メニューの内容は、ムール貝、サラダ、ビターボーレン(オランダ特有の小さなコロッケ)、スープとアントワープではよくある通常のレストランメニューであるのだが、メニューの名前は全て聖書が関係している。

アベマリアのサラダ、牧師のサラダ、祝福されたサラダ。アダムのスペアリブ、 使徒の魚のシチュー、修道院のチーズ(こちらは、本物の修道院で作られたもの)など、メニューを見ているだけで聖書の勉強をしているようだ。

主人はオランダの小さな町の出身。特に厳しい宗教的な家庭ではなかったけれど、小さい頃は、日曜日に教会に行くこともあったそう。

子供達は牧師さんのお説教の時間が退屈で理解できないので、別の部屋でわかりやすい言葉で聖書のモーセの十戒をよく聞かされていたとのこと。

この神聖なモーセの十戒にユーモアをつけて楽しんでしまうのだから、懐が深いアントワープの国民性なのである。

大人はワイン蒸しとクリームのムール貝を、子供たちはコロッケを注文。待ちながら、あーでもないこーでもないとバイトの学生さんと喋りながら、すっかり仲良くなってしまった。

「ムール貝が遅いんだけど?」と言うと、彼も、「そうなんだよ、今日キッチンがなんか間違いばっかりするんだよ、困っちゃうよねえ」って調子。

やっと来たムール貝はワイン蒸しではなかったけど、仲良くなりすぎて戻すのも可哀想になり、そのままいただくことにした。こんな愛嬌のあるパブって楽しいなあ。

レストランは、ベルギーの元気の源、やっぱりこんな風な時間って大切。

アントワープ訪問の際は、ベルギーではとても有名な修道院ビールをここで飲みながら、聖書のお勉強しちゃうのも楽しいかも!頼んだものと違うものが出てきても、怒らないでね。

【Het Elfde Gebod】
住所:Torfbrug 10, 2000 Antwerpen, Belgium
https://elfdegebod.com/

Written by ホーゲデウア容子(ベルギー)

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