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子供だけでなく大人にも「音から始める英語」Phonics(フォニックス)

2021年5月11日
林いくえ (カナダ)

ホームスクールで出会ったPhonics

2歳まですくすく育った長男ですが、2歳の誕生日を迎えるころから自閉症や多動性障害の症状が目につくようになりました。

男の子ということもあって、他人の目にはいたって普通のやんちゃな2歳児、特別どこか問題があるようには見えなかったかもしれません。

ですが、児童青少年発育発達学を専攻した私には、「特殊教育」のクラスで学んだ様々な「赤信号」が、目の前にいる息子の様子と重なりました。

学齢期に近づき、「このままでは学校生活が辛いものになってしまう、社会生活のつまずきが学習に影響するのでは」という心配もありました。

そんな時、周りの友達でホームスクールをしている方が多くいたことから、ホームスクールに興味を持ちました。

本を読んだり、既にホームスクールをしている方たちからお話を聞いたりして、ホームスクールがその時の長男にとって一番良い選択だと納得しました。

ホームスクールの制度が整っている北米では、選択が難しいほどたくさんのカリキュラムがあり、レッスンプランもきちんと用意されています。

それでも実際は、英語がネイティブではない私に子供の教育を担う大役なんて務まるのかという不安と闘いながら、子供と一緒に学んだ4年間でした。

ホームスクールは大変な上、苦労もありましたが、多くの収穫もありました。その一つがPhonicsでした。Phonicsとは子供たちが読み書きを学ぶ音声学習法で、北米の子供たちは幼稚園からPhonicsを学び始めます。

 

Phonicsの学び方

ホームスクールでは、「ここではこんなふうに言って、次はこう言って導いていく」というように細かく教え方まで提示されているので、教師の資格がなくても、子供を教えたことがない方でも、全く問題ありません。英語がネイティブではない私でも無理なくできました。

長男に限らず、次男も三男も同じステップで英語の基礎を作り上げていくことができたのですが、特に長男にとっては、しっかりPhonicsをマスターしたことが、高機能自閉症に伴う困難を乗り越える武器となりました。

私たちが英語の授業で学んだアルファベットの発音は、26文字の呼び方であり、それぞれのアルファベットにはまた別に「音」があります。Phonicsでは、その音と単語の発音ルールを学んでいきます。

まず初めにアルファベット26文字の名前と音を覚えます。順序としては、母音に当たる a、e、i、o、u (時々 y) の短音と長音を認識、発音できるまで練習しました。

母音の次は、アルファベットの残りの文字(子音)の音を認識、発音できるようになる練習をしました。

子音を始めた段階で、子音と母音のブレンドの発音を練習していきます。例えば、ba、 be、 bi、 bo、 bu を「b」・「a」というように別々に発音することから「ba」とブレンドされた音で発音できるようになります。

子音+母音ブレンドが発音ができるようになったら、今度はもう一つ子音を足して、”3-letter words”と言われる、「子音+母音+子音の組み合わせ(例:bad)」が読めるように練習していきました。

他にも、単語の最後にサイレント [e] のつく単語のルール(makeの [e] はサイレント [e]と呼ばれていて、最初の母音 [a] を長母音に変える)や母音ブレンド([ea]、[ao]など)、子音ブレンド([st]、[th]など)、スペシャル母音([ough]、[igh]など)というふうに身に付けていきました。

 

Phonicsのベネフィット

長男6歳、次男4歳の頃

自閉症の症状の一つとして、スピーチが非常に遅れていた長男は、4才の時点で話せる単語が両手で数えられるくらいの数しかありせんでした。長男にとって最初のセンテンス”Can you help me?”を何度も教えたのを今でも覚えています。

そんな長男がPhonics を学び始め、本を読めるようになり、音読していくことでスピーチもぐ~んと改善されました。そして変化したのは彼だけに留まらず、私自身の英語力、特に発音と単語に大きな改善が見られたのです。

それまでは、耳で聞いてできるだけ忠実にリピートして発音を覚えていたのですが、Phonicsを学んでからはより正しく発音ができるようになりました。

それだけではなく、Phonicsのルールから、単語の構造が見えるようになったことで、初めて見る単語でもだいたい発音がつかめるようになり、スペルも丸暗記しなくてもよくなりました。そして、前よりももっとすんなりと頭に入ってきます。

発音なんて気にしなくてもいいと言う方もいますが、私は最初から発音をしっかりやろう!と提唱する方です。

ネイティブのように発音できなければならないというわけではなく、英語の音が認識できるようになり、さらに正しくアウトプットできるようになると、しっかりした基礎を作ることができ、その後の伸びにも影響するからです。

発音を後回しにし、後になってから改善・矯正しようとすると、それまでの習慣がついてしまっているため、さらに難しくなります。最初からきちんとやる方が後で苦労しませんし、時間を節約できます。

さらに、発音がより正しいと英語を話す自信にも繋がることから、英語に対してポジティブなマインドを持つこともでき、英語上達に役立ちます。

息子たちをホームスクールした経験から「音」から始める英語の重要さを改めて感じました。これから英語を学ぶお子さんのいる方、今から英語をやり直したい方、是非、「音」から始めてみてください!

Written by 林いくえ(カナダ)

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