ブルーマウンテンズ国立公園で過ごす秋の一日。行き方・おすすめスポットなど

シドニーは秋の真っ只中

秋も深まり、朝晩に寒さを感じるようになってきたシドニー。私が住む市街地の町のポプラ並木もすっかりと色を変え、太陽の光を受けて鮮やかな色彩を放っています。

抜けるような青空に向かって真っ直ぐに伸びるポプラの木。その木を彩る無数の黄色い葉っぱたちと青空を一緒に眺めるのが、私の秋のお気に入りの過ごし方。

先日、もっとオープンなスペースでもっと秋の空気を感じたくて、シドニーで大人気のスポット「ブルーマウンテンズ国立公園」で秋の一日を過ごしてきました！

約4000キロの広さのユーカリの森に抱かれるブルーマウンテンズ国立公園。シドニーオリンピックが開催された2000年にユネスコ世界自然遺産に登録された、オーストラリアが世界に誇る美しい国立公園の一つです。

電車でも車でも気軽に行けるスポットとして、地元民にも観光客にも大人気の大自然スポット。

「セントラル駅」からBlue Mountain Line(ブルーマウンテン線)で「Katoomba(カトゥーンバ)駅」まで、鉄道で約2時間。Katoomba駅でバスに乗り換え、果てしなく広がるユーカリの森を眺める展望台「エコーポイント」まで約10分の旅です。

エコーポイントでバスを降り、展望台に向かって歩いていると、目の前に少しずつ現れてくるユーカリの森。

いよいよ展望台の突端にたどり着くと、ど〜んと開けた視界の中に雄大にそびえ立つ巨大岩「スリーシスターズ」が、仲良くユーカリの森を見守る姿に出会えます。

約4000キロの広さのユーカリの森

ここでアボリジニ民族の重要な文化の一つである”Dream Time Story”の中の、スリーシスターズにまつわるストーリーをご紹介します。

太古の昔、このブルーマウンテンズに住んでいたアボリジニの部族に、とても美しい三姉妹がいました。彼女たちは、別のアボリジニ部族の三兄弟と恋に落ちてしまいました。

しかし、アボリジニの規則では別の部族との婚姻を許されません。それを不服に思った三兄弟は、力ずくで三姉妹を奪おうとし、部族間の争いへと発展してしまいます。

三姉妹を守るために、同じ部族の長老は彼女たちを岩に変えてしまいました。争いが落ち着いたら元に戻すつもりでしたが、この争いで長老は命を落としてしまい、三姉妹を人間に戻す術を知る者がいなくなってしまいました。

それ以来、この三姉妹は3つの岩として、このブルーマウンテンズを見守り続けています。

というストーリー。なんだか美しくもちょっぴり悲しくもあるお話です。

ブルーマウンテンズの楽しみ方と周辺おすすめスポット

広大なブルーマウンテンズ国立公園には、3億4000年前に形成されたと言われる鍾乳洞、ジェノランケーブを始めとして、いくつかの鍾乳洞があります。

また、大人から子供まで気軽に歩ける散策道や、本格トレッキングが体験できる数々のトレッキングコース、美しい滝など、自然と親しむにはもってこいなスポットがたくさん。

ブッシュの中を歩いていると、野生のカンガルーやウォンバットに出会うのも珍しいことではありません。

歩くのはちょっと…という方々も、ブルーマウンテンズは優しく受け入れてくれますよ。

 

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展望台のエコーポイントからバスで10分ほどの人気アトラクション施設「シーニックワールド」では、ケーブルカー、ロープウェイ、トロッコ列車体験ができます。

こちらでは乗り物の上からブルーマウンテンズ国立公園の雄大な景色を満喫できます。

ブルーマウンテンズ国立公園を訪れるならば是非とも立ち寄っていただきたいのが、オーストラリアの田舎町を満喫できるLeura(ルーラ)です。

かわいい雑貨屋さんやカフェが並ぶ大人気の町Leura(ルーラ)は、ブルーマウンテンズのバスツアーに組み込まれていることも多い町です。

Leura駅は、冒頭でご紹介したKatoomba駅の一つ前の駅ということもあり、スリーシスターズを訪れたこの日、まずはLeura駅で電車を降りて、美しい紅葉を満喫しました。

シドニーに住み始めて最初の数年間、「シドニーには紅葉はない！」と何の根拠もなく信じ込んでいた私。今ではそんな盲信もどこかへ消え去ってしまい、秋は紅葉を愛でるありがたいシドニー生活を送っております。

旬を迎えた柿もスーパーに並び、季節の移り変わりを思い切り感じることができるシドニー。今年の冬は雪を訪ねてどこかへ出掛けてみようかな。

標高約1000メートルにあるKatoombaは市街地と比べると5度くらい気温が低いので、寒さ対策は重要ポイント

Written by 野林薫（オーストラリア）