MENU

アーティチョークの町チェルダとアーティチョーク祭り

2021年4月7日
桜田香織 (イタリア)

イタリアの代表的冬野菜「アーティチョーク」

日本在住、又はアジア在住の方々の間で、アーティチョークという野菜はどのくらいの知名度があるのでしょうか。

日本におけるイタリア料理の人気はすっかりと定着していて、しかもかなり本格的なレストランの数も計り知れず、珍しい食材もどんどん取り入れられています。

珍しいイタリアの野菜も輸入され、国内で生産している農家もあると聞いていますが、日本でなかなかお目に掛かれないのがアーティチョークだとか。イタリア語ではカルチョーフィ(複数形)と呼ばれます。

アーティチョーク好きの友人たちの話によると、日本で普通に目にすることはなく、たまにそれなりのレストランで出会うくらいだそう。オンラインストアで1kg、5000円と言う値段を聞いて、びっくりしました。

イタリアでは北から南までごく普通に食卓に上がる野菜、調理法も様々なので、我が家でもシチリアのシーズン中の12月初頭から4月下旬頃まで、週に3回位は食卓に登るほど重宝している食材です。

このアーティチョーク、種類は様々です。トゲあり、トゲなし、大きさも色々ですし、灰汁が少なくて柔らかいものは薄くスライスして生食できますし、灰汁の強いタイプは加熱します。

前菜として、付け合わせとして、パスタにもサラダにも適している、ある意味万能野菜と言えますね。

そのアーティチョークの産地として有名なチェルダ(Cerda)という町で、毎年4月25日に「アーティチーク祭り」が行われます。

チェルダの町の中心広場には、巨大なアーティチョークのオブジェがそびえ立ちます。

パレルモから約60Kmに位置し、人口約5400人と言う、街というよりは村に近いのですが、テリトリーは広く、そのほとんどが農業、厳密にはアーティチョークとカリフラワーの栽培に使われています。

 

チェルダのアーティチーク祭りってどんな?

このお祭り、1日で約2万5千人もの人が訪れるのだと言うことですが、本当かしらと思わず疑ってしまいます、だって町の人口の5倍もの数ですから。

お祭りはよくあるスタイル、一本しかないメインストリートと市庁舎前の広場中心に行われます。

そしてそのメインストリートには「これでもか!」と言うほどのアーティチョーク料理料理を中心に、揚げ物やら焼き物など、沢山の美味しそうな物が並びます。

みんなが大好きなフリット(揚げ物)は欠かせない(右下)

どれもこれも味見してみたくなる美味しそうな物が山ほど。さてどこから攻めましょうか。

この日アーティチョークをどこで食べるかというと、3つの選択肢があります。

1.  メインストリートを歩きながら、気に入った物を買い食いする。
2. お役所が管理する「お味見チケット」を購入して、決まった所でお皿を受け取り食べる。
3. レストランへ行く。

それぞれにメリット、デメリットがあります。

一番安いのはお役所運営の物。前菜とパスタで3ユーロ、グラスワイン1ユーロ程度のチケットを購入し、試食コーナーで食べることができます。ただ、チケットを買うにもお皿を受け取るにも長蛇の列に耐えなくてはいけません。

買い食いは日本の縁日気分で買い食いできる楽しみがありますが、立ち食いか道端に座って食べるかの選択になります、ちょっと不便。

レストランはきちんと座って、この日の為に用意された「アーティチョーク尽くし」のメニューを楽しめますが、お祭り気分はあまり味わえない。

どこのレストランでも前菜、プリモ、セコンド、ドルチェにワインとお水が付いて30ユーロくらいです。

 

チェルダでの最後の収穫をほぼこのお祭りで消費!

アーティチョークの炭火焼。丸ごと焼いて、皮を剥きながら、歯でしごきながら食べます

皆さんはどれに惹かれますか?ちなみに私は立ち食いを選びました。

11時頃になると凄い人出となり、歩くのも困難になってきます。あちこちに設置された炭火焼のコーナーから煙がモクモク、自分も燻されているような気分になってきます。

狭い通りを楽団が通り、馬車が走り、口一杯に食べ物を頬張りながらも気を抜くことは出来ません。

長年シチリアに住んでいる私でも知らない調理法もあり、それらを味見しながら気が付くとメインストリートを何往復もしてしまいました。

この1日で、一体どのくらいの量のアーティチョークが消費されたのでしょう?

炭火焼1回分で約150個を焼くと言っていましたから、きっと何千個では済まないと思います。私は午前中から出かけて行ってお昼の部に参加しましたが、夜は夜でおそらく更に人手が増えるのでしょうし。

小さい町ながらチェルダにはいくつものレストランやトラットリアがあり、シーズン中はどこでもアーティチョーク尽くしのメニューが用意されます。

週末は座席数200席を超えるアグリツーリズモでさえ満席、近郊の町や村からアーティチョークを食べに人が押し寄せるのです。

シーズンも終わり近い4月25日のこのお祭りを境に、アーティチョークは8割方八百屋の店頭から姿を消します。つまり、チェルダでの収穫の最後をほぼこのお祭りで消費すると言うことです。

残念なことに去年と今年はコロナ禍で中止、町の経済にも打撃を与えてしまいましたが、お祭りはともかく、毎年一回はチェルダのアーティチョーク三昧のランチを楽しんでいる私。

現在全国的にロックダウンのイタリアですが、出かけられるようになったら是非行きたいと思っています。私の年中行事の一つですから。

Written by 桜田香織(イタリア)

この投稿をシェアする

ヨーロッパ
北アメリカ
南アメリカ
アジア
アフリカ
オセアニア
イベント・セミナー一覧へ
コラム一覧へ
インタビュー一覧へ
ブックレビュー一覧へ
セカウマTV一覧へ
無料登録へ