そして翌日は旧正月の元旦。仏壇には果物などのお供え物をし、家族や親戚一同が集まり、日本でいうお節料理のような料理を食べて過ごします。
上の写真は、ホーチミンを含むベトナム南部で食べられているテト料理。左上スイカの右隣がバインテットです。食べやすい大きさに切ってあります。
同じ会社で働く同僚のベトナム人スタッフが写真を提供してくれました。
代表的なものには、Bánh tét (バインテット)と呼ばれるもち米と緑豆のペースト、豚肉をバナナの葉にくるんで蒸したベトナム風ちまきや、ニガウリの肉詰めスープ、ココナッツジュースで煮込んだ豚の角煮、らっきょうの漬け物などがあります。
バインテットは、南部では円筒形にして作られますが、ハノイなどの北部の地域では、Bánh Chưng (バインチュン) と呼ばれ、形も四角い形をしています。材料はほぼ同じです。
なんだか、日本のお雑煮のお餅が地域によって丸いか四角いか、みたいなことに似ていますね。
さらに日本と同じく、ベトナムにもお年玉を上げる習慣があります。 このお年玉は北部ではMừng tuổi(ムントゥオイ)、南部ではLì xì(リーシー)と呼ばれ、赤いポチ袋に入っています。
このお年玉は親から子に限って渡されるものではなく、企業では上司から部下、お世話になっている人など、血の繋がりのない場合にも渡されます。
また、ベトナム人も初詣をします。ベトナムは文化的に仏教の影響を大きく受けているため、主に寺院を参拝します。
私もせっかくなので初詣に行きたかったのですが、コロナがぶり返してきたため、状況が落ち着いてからに参拝しようと思っています。
テト前からテト休暇期間中には、街のデコレーションされた場所の至るところで写真撮影が行われています。
ベトナムの民族衣装であるアオザイを着て写真を撮る人も多く、この時期は街に老若男女問わずアオザイを着ている人が増えるため、ベトナムっぽさを味わうこともできます。
ホーチミンではテト休暇期間中、歩行者天国のグエンフエ通りに、毎年フラワーストリートと呼ばれる全長700mの区間をその年の干支をモチーフにして様々なお花で彩ったイベントが開催され、多くの人でごった返します。(今年は入場制限がありました。)
旧正月の1月2日ごろまではお店も閉まっていることが多いですが、3日目からは徐々に開店し始め、少しずつ日常通りに戻っていきます。
フラワーストリートもテト期間で終了、街のデコレーションも少しずつ撤去されていきます。
昨年のこの時期は私は日本に一時帰国をしていて、全貌があまり分かっていなかったテト。
今年はもしコロナが直前にぶり返さなければ、同じ会社のベトナム人スタッフの地元へ行き、彼女の実家へもお邪魔させて頂く予定でした。
そのため実体験としては経験できなかった部分もありますが、旧正月期間中のまったりしたベトナムの様子を多少知ることができました。来年にはコロナも収まり、よりディープなテトを知れることを願っています。
余談ですが、例年テトの時期は街から人がいなくなるため交通量も減り、車やバイクの少ない分空気も綺麗になるそうですが、今年はコロナのために地元へ帰省しなかった人達も多く、あまり空気は綺麗にはなってくれませんでした(笑)
ホーチミン市内のデパートのテトギフト催事場
Written by 平良弥生(ベトナム)
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