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南米最南端の旅。アンデス山脈を境にチリとアルゼンチンにまたがるパタゴニア

2021年1月6日
岩井真理 (ブラジル)

パタゴニアはどんなところ?

皆さん、こんにちは。ブラジルサンパウロ州に住むMariです。

「パタゴニアへ行きたい」と夫が言った時、誰かも言っていましたが、私もアウトドアブランドの名前だと思っていました。

南米に住んでから「ここにいる間にしか行けない所」と言う観点で、限られた休暇を利用して旅先を選んで来ましたが、夫が再三にわたり候補地として挙げてくるので、確かに簡単には行けそうにもないので行ってみることにしました。

私の様にパタゴニアをよく知らない方のために、基礎知識を少し。

まず、どこにあるかと言うと、南米大陸の南北に連なるアンデス山脈を境に、チリとアルゼンチンに分かれて位置します。

私が行ったアルゼンチン側パタゴニアは、北部は広大なパンパ(平原)、南部は乾燥した不毛の地からなっています。

パタゴニアの最大の特徴は「風の大地」と言われる、年間を通して吹く強風です。そのため、限られた植物しか育ちません。

風になびく様な形の南極ブナや、茎が短い花は地面に這いつくばるよう咲き、乾いた感じです。

雨が多くすっきり晴れる日が少ないのも特徴です。元々農耕に適さない土地柄、先住民は釣りや狩りをして生活していたと言われています。

ほぼ南緯40度以南の地域で、緯度で言うと日本の東北から北海道、サハリンの先までぐらいと言うので、寒くて当然。

面積は日本の約3倍、110万K㎡、それがパタゴニアです。

ところで、パタゴニアを見つけたのは誰か知ってますか?

海峡に名を残したマゼランです。先住民を見つけた時、「パタpata=足」「ゴンgom=大きい」というのが語源になったようです。

 

ユネスコ世界遺産の大氷河見物と世界唯一のアイスバー

さて、そんな「最果ての地」へ行く目的は、轟音を立てる大氷河見物です。

今回は氷河見学に的を絞り、ユネスコの世界遺産に登録されている「ロスグラシアレス国立公園(Parque Nacional Los Glaciares)」を中心に回りました。

本当は少し足を伸ばして世界最南端の街「ウシュアイア(Ushuaia)」へも行き、マゼランペンギンやアザラシを見たり、名物カニ料理に舌鼓を打ちたかったのですが。

早朝のサンパウロを出発して、ブエノスアイレス経由でアルゼンチン側の「エルカラファテ(El Calafate)」という町に入りました。

カラファテ空港に着く直前、眠い目を擦りながら眼下を見下ろせば、エメラルドグリーンに光る川が濃茶の地面とコントラストを成し、「来たことのない場所へ来た!」という空気感を放っていました。

空港から車で15分ほど走ると、「氷河博物館グラシアリウム(Glaciarium)」があります。ロスグラシアレス国立公園の歴史や氷河に関する事を、豊富な資料や映像で紹介してくれるので予習をしました。

実はここ立ち寄ったもうひとつの目的は、地下にあるアイスバーへ行くためです。マイナス5度の氷の部屋で、氷河の氷を使ったドリンクを提供する、世界唯一のバーです。

室内は極寒のため防寒具が貸し出され、20分間だけの入室許可です。その間、ドリンク飲み放題!

ウォッカベースにチョコレートリキュールを混ぜたオリジナルカクテルがイチオシですが、ガブガブ飲んだ人達がその後どうなったかは説明の必要はないですね(笑)

乾いた景色を眺めながら外へ出ると、既に夕食時なのに、昼間の様です。

時期は2月。パタゴニアでは真夏なので、ほぼ白夜に近い状態です。

そのあと、地元の名物羊肉(ラム)のアッサード(焼き)料理の店へ行きました。旅行の楽しみのひとつは、地元の名物を食べることですよね。

乾いた草だけを食べて育った羊は、他のラムに比べて臭みが少なく食べやすいと言われ、「コルデーロパタゴニア」と言うブランドになっています。

が、この後、旅行が終わるまで、私はなかなか慣れる事が出来ませんでした。チャレンジ精神旺盛なので頑張ったのですが、私はパタゴニアで美食を求めることは無理かな、と思い知った夜でした。

(次ページへつづく)

次のページ南米で一番美しい「ペリトモレノ氷河」

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