マチュピチュ村の朝です。澄み渡った空、Kさんもすっかり元気になり、みんな揃って出発です。
遺跡前まではシャトルバスに乗って移動します。バスが次々と入ってきて雑然としているので乗り遅れないように。
所要時間は30分程度ですが、元気があれば斜面の階段を2時間かけて徒歩で上がることも出来ます。
遺跡には、1日6000人の観光客訪れます。チケットも午前と午後にきっちりと分かれており、入場規制もしています。
歩きやすい格好で行くのは勿論、遺跡にはトイレもないので入口で済ませておきましょう。ペットボトルは禁止と聞いてましたが、自分で持ち帰るなら大丈夫です。
標高が高いので、水分補給は欠かせません。意外と日差しがきついので帽子やサングラス、日焼け止めもマストです。
ガイドの案内に従って入口から坂道を登って行くと、いきなりつづら折りの坂道です。少しきついけど、ゆっくり、ゆっくり。
しばらく行くと、ご褒美のような美しい景色が開けます。あっ!これが、写真で見たお馴染みの眺望です。
お馴染みの眺望が突然目の前に!
突然現れるので、誰もが声を出さずにはいられません。確かにこの街は、下からは見つけられなかったはず。
遺跡の中は基本的に一方通行なので、決められたルートに従って進みます。たくさんの見所がありますが、私が気に入った場所をご紹介します。
マチュピチュ中心部へつながる唯一の門(市街地入口)からは、向かい側のワイナピチュ(遺跡の西側にある切り立った山でインカ時代は見張り台の役割)が見える絶景です。
三つの窓の神殿も是非とも堪能頂きたいスポットです。太陽が昇ってくる東向きの壁に大きな窓を持つ神殿です。
三つの窓は夏至の日の出の位置を示しており、農作業をするには重要な役割を果たしていたようです。光の差し込む位置や角度はかなり正確に作られています。
そして、皆さんがよく知る段々畑の最上段にある見張り小屋の前からの景色は、まさに世界一のパワースポットと言えます。
私もここで短い手足を大きく広げて、パワーを思いきり浴びました!なんとなく特別な気配を感じる、そんな空間です。
左上:市街地入口、左下:三つの窓、右:世界一のパワースポットでパワーチャージ
ちなみに、マチュピチュという名前の意味をご存知でしょうか?
本来の意味は「高い山」なんです。
発見した探検家の通訳が誤訳して、それを遺跡の名前として伝えてしまったのです。それ以来、そのままの名前で世界的に有名になってしまいました。
午前中の散策を終えると、一旦遺跡の外へ出ました。中では飲食はできないので、入口前にあるレストランでバイキングランチを済ませ、午後のチケットでまた遺跡へ入場しました。
午後からは少し足を延ばして、インカ道をインティプンク(太陽の門/Inti Punku)に向けてトレッキングです。
インカ時代にはインティプンクを目指すのが外からマチュピチュに入る唯一の道だったことから、ここはマチュピチュ玄関口と言われています。
遺跡内の見張り小屋の手前にある分岐路から、なだらかな石畳を上がって行きます。
インカ道は歩いて往復3時間弱ですが、それでも遺跡より300mほど標高が高くなっています。1日の入場者数制限をしているので、管理事務所で名前を登録します。
大きな岩の間を通り抜けると見晴らしの良い場所に出ます。更にその先に進むと、インカ道を通ってマチュピチュに入る人を監視した場所がありました。
外敵から守るために作られた橋は、有事の時には容易に外すことができる仕掛けになっていました。昔の人の知恵と、生きるための工夫を強く感じました。
雨が降りやすい季節だと言われていましたが、一日中青空で、夕暮れ近い帰り道は少しだけ風も涼しく感じました。
一日中遺跡を歩き回ったので、この日はさすがに疲れました。マチュピチュ村へ着くやいなや、マッサージを受けに行きました。
翌朝4時起きでまた列車に揺られクスコへ戻り、国内線でリマへ飛び、乗り継ぎサンパウロまで戻ることを考えたら、思わず飛び込んでしまいました。
日本が室町時代である15世紀にマチュピチュは建設されたとされていますが、実際には、なぜここに、何のために作り、そしてここにいた人達はいつ去ったのか?という疑問は残っています。
1911年にハイラムビンガムが発見してから100年以上たった今も、その謎は解き明かされることがないからこそ、人々の好奇心と探求心は掻き立てられるのでしょう。
そんなマチュピチュ遺跡も、コロナ渦にあっては約8ヶ月間の閉鎖を余儀なくされました。そして先月の2020年11月、通常の10分の1の入場者だけを受け入れて、ようやく再開しました。
再開に際してはインカ伝統の儀式が催され、祈りを捧げたと言います。神秘的なインカの遺跡から、時空を超えた人々の祈りが天に届いたでしょうか。
マチュピチュって、やはり秘境です。ブラジルからでも結構な遠さでした。そりゃ、日本からは覚悟が要りますよね。
でも、その期待を裏切らないのがペルーの旅。是非とも一生に一度、覚悟を決めてお出かけください。
Written by 岩井真理(ブラジル)