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アメリカは大学も多様性に溢れている。アメリカの大学で驚いた事とは?

2020年12月2日
スペイツ由美 (アメリカ)

アメリカでは大学生はCollege Student

アメリカでは大学生のことをCollege Studentと言います。University studentとは言わないのです。

日本ですと、大学生=University student。直訳するとこうなるので、日本から来られた皆さんは、College student という言葉に戸惑います。

同じ大学のカテゴリーでも、学校によってCollegeとUniversityという名称に分かれています。

Collegeの方は、最初の4年間の学士号(Bachelor Degree)だけが習得できる学校のこと。

それに対してUniversityは、学士号、修士号(Master Degree)及び博士号(Docter’s Degree/PhD)が習得できるプログラムがある学校のことです。

ただし、どの過程にいる生徒でも生徒のことはCollege Studentと呼びます。

私の夫は2016年までUniversityで教鞭をとっていたのですが、夫の所属していたUniversityに行くようになって、私はずいぶんたくさんのカルチャーショックを受けました。

例えば、学校内の学生寮(Student Dormitotory) は、通称「ドーム」なんて呼ばれています。ほとんどの学校では、初年度はこのドームに住まなければならないという決まりがあります。

このシステムは初めて親元を離れてカレッジに入学する学生にとっては、とても親切なシステムだと思います。

私の住んでいるミシガン州のような田舎の州立大学では、大学の校内自体が街のようになっています。

広大な敷地内には大学内専用のバスが走っていて、学生たちはそのバスに乗って自分の授業のある建物に行くことができます。

寮自体が大学のキャンパス内に設置されていますから、車がなくても授業に行くことができるのです。

それぞれの寮の中には学生食堂・カフェテリアがついていて、自分が選んだミールプランによってこのカフェテリアで食事ができます。

初年度は大学の授業のボリュームに圧倒されて学生たちはクタクタになってしまうのが常ですが、親元を離れた初年度の学生たちが学業に集中できるようなシステムになっているのです。

「初年度は寮に入らなければならない」という半強制的な決まりがあることによって学生たちが有無を言えずに寮生活を始めることは、一人暮らしに慣れるためにも、学業に専念するためにも、結果的に学生たちを助けることになるのです。

 

アメリカの大学には家族で入れる寮もある

大学の寮には、”独身用”の寮と”家族向け”の寮という風に、様々な部屋数の寮が大学の敷地内に設備されています。

日本の教育機関を終了した私にとっては、家族を持っている年齢の人たちが大学に行くこと自体に最初は驚きましたが、そこはDiversityの国アメリカ。

高校を卒業した後に一度就職してみたものの、気が変わって大学に行って学問を始める人や、一度入学したものの、アメリカの大学の学費は莫大な金額なので学費が足りなくなり、一度休学して働いてから学校に戻ってくる人もいます。

また、海外から家族づれで留学して学問をされるすでに学位を持った人たちもいます。大学という場所がとても開かれた環境で、その気があれば年齢に関係なく学問ができるようになっているのです。

ちなみに夫が輩出した最初の博士号の生徒さんは、なんと当時60歳だったそうです。博士課程の研究メインアドバイザーをやっていた当時の夫の年齢よりもはるかに年上の方が、夫が輩出した第一号だと言う話を聞いてそれにも驚きました。

その方は女性で、子育てが終わり自分の第二の人生のために博士課程に進み臨床心理学博士になったそうです。

私はその話を聞いた時に、女性であるとか妻であるとか母親であるとかそう言うことに囚われずに、自分のやりたいことへの夢を諦めなかったと言う彼女の生きる姿勢に感動しました。

そのような生徒さんは彼女だけではなくて、実際に大学の関係者や博士課程の生徒さんたちと交流をしてみると、皆さん年齢もそれぞれで結婚してお子さんのいる人、恋人と同棲している人などいろいろな状況の人たちがいました。

ほとんどの学生さんたちが仕事を持っていたのも、日本の学生のイメージとはずいぶん違うと感じました。

 

東京大学博士課程の学生がハーバード留学で驚いたこと

もう数年前になりますが、日本の私の恩師の息子さんが当時東京大学の博士課程に在籍されていた時に、ボストンのハーバード大学に3ヶ月短期留学に来られたことがありました。

彼が日本に帰国して、彼のお母様に話されたことがとても印象的でした。

アメリカの大学の大学生が勉強及研究や討論をする量が日本の大学生の何倍にも相当すると、彼は驚いていたそうです。

日本では大学に入るまでの受験勉強が大変ですが、入学したらアメリカの学生のように真剣に学問に取り組む人が少ないと感じたそうで、現地でアメリカの学生たちをみて大変に衝撃を受けたそうです。

その息子さんは今はすでに博士になられて東京大学で教鞭を取られていますが、私はその話を聞いた時に「さすがアメリカでトップのハーバード大学。日本でトップの学校から来られた学生さんも圧巻とは、、、」と思いました。

アメリカのオバマ前大統領と奥様のミッシェルオバマさんと彼らのお嬢さんもハーバード大学出身ですね。日本の皇后雅子様もハーバード大学のご出身でいらっしゃいます。

風格のある学内と街並みは、一度見る価値があります。アメリカ東海岸にお越しの際は、ぜひハーバード大学へ行かれてみてください。

そこはまさに多様性に飛んだDiversityの街です。Diversityを肌で感じるお勧めの観光スポットの一つであります。

Written by スペイツ由美(アメリカ)

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