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ジョンレノンや夏目漱石も。ロンドン「ブループラーク」歴史散歩がおすすめ!

2020年10月7日
伊藤結子

ブループラークは歴史上有名な人物が住んでいた家や働いていた場所

今年はコロナ禍に泣いたロンドンも、少しずつ元気を取り戻して来ているように感じられる今日この頃です。

イギリスでは3月から数ヶ月間ロックダウンで制限がかかり、私の趣味である美術館巡りや、ミュージカル、ライブハウスなどは閉鎖していました。

密かな趣味であった教会のステンドグラス巡りも、教会が開いていなかった為、長らくお休みしていました。そんな中、ロックダウンに左右されないお出かけスポットを発見してしまいました。

それは「ブループラークめぐり」です!

あれはロックダウンが少し緩和されて、遠くまで歩けるようになったある日のことでした。

マリルボーン地区に出かけた時「ジョンレノンのブループラークがここにあるよ」と友人が教えてくれました。この場所はかつてジョンレノンが住むフラット(集合住宅)だったというのです。

ブループラーク(Blue plaque)とは、直径48cmの青くて丸いプレート。人物の名前、年号や肩書きが記入されており、歴史上の有名な人物が住んでいた家や働いていた場所に設置されています。

ロンドンの街の中を散歩していると、建物の外壁に青い丸いプレートをよく見かけます。以前からブループラークの存在は知っていたものの、あまり興味を持たずに素通りしていました。

左上から時計回りに、ナイチンゲール、ジョンレノン、ヒッチコック、アガサクリスティー、ノッティングヒル、ベーコン

しかし、このジョンレノンのブループラークの前で私の中の何かに火がついてしまったのでした(笑)

ビートルズの熱狂的なファンではないけれど、音楽が好きなわたしの人生に少なからず影響を与えているジョンレノン。

大袈裟かもしれませんが、たった一枚のブループラークに「かつて彼がここに生きていたんだ」という息吹を感じてしまったのでした。彼の秘密を偶然通りかかって覗いてしまったような、不思議な感じがしました。

ロンドンには公式のもの、非公式のものも含めて、900以上のブループラークが設置されています。

ものすごく有名で日本の学校の教科書にも登場している人物もいれば「これはだれ?」という人まで様々です。

偶然見つけたブループラークの人物が何をした人なのか調べてみるだけでも面白い歴史散歩になりますが、やっぱり1番いいのは好きな人物、自分にゆかりのある人物のブループラークを探すことだと思います。

公式のブループラークはイングリッシュヘリテージという財団によって管理されており、わかりやすいホームページ(英語)や公式アプリもあります。

私も外出時には周辺のブループラークの場所と人物をアプリでチェックし、興味がある場合は立ち寄るようにしています。その建物や人物にゆかりのある団体が設置した、非公式のブループラークも沢山あります。

 

お気に入りのブループラークを3つご紹介!

シャーロックホームズ

ブループラークの中でも風変わりなものがベイカーストリートにあります。シャーロックホームズ好きな方は「ベイカーストリート」と聞いただけでピンとくると思います。

実在の人物ではない唯一のブループラークです。シャーロックホームズが小説の中で住んでいたとされる「ベイカーストリート221b」と書かれたブループラークが設置されています。

100年前はベイカー街は今より短く、92番地までしかなかったそうです。小説の当時の221bは架空の住所でした。

現在はここにシャーロックホームズの事務所兼家に見立てたシャーロックホームズ博物館が建てられ、その博物館の壁にブループラークを見つけることができます。

【住所】221B Baker Street, Marylebone, London

 

アップルレコード

シャーロックホームズのブループラークからほど近い場所にビートルズが設立した、アップルレコードの会社があった建物があります。

「ジョンレノンとジョージハリスンがここで働いていました」というブループラークが建物の2階にひっそりと取り付けられています。

人通りの多い忙しい通りですが、あまりこのブルーブループラークの存在は知られていないように思います。

しかし、ふと見上げるとそこにあるのです。ブループラークを探して見つけた時は貴重なお宝を発見した気分になり、とても楽しいです。

【住所】94 Baker Street, Marylebone, London

 

夏目漱石

ブループラークの中に1人だけ日本人がいます。それは夏目漱石です。

夏目漱石といえば「坊ちゃん」や「吾輩は猫である」を子どもの頃に読んだ記憶はありますが、その人生については無知でした。改めて調べてみると、波乱万丈な人生で、幼い頃から深い孤独を抱えていたことがよく分かりました。

34歳の時に日本に妻や子ども残して単身公費留学でロンドンにやってきた夏目漱石は、のちにイギリスが大嫌いだったと書き残しています。

ロンドンの薄暗い気候、西洋の個人主義なとに耐えきれず下宿にとじこもって鬱になってしまい、下宿の女主人に心配されたとか。この時に感じた孤独は彼の作風に大きく影響を及ぼしているそうです。

人種も話す言葉も日本とは全く違う異国で漱石は何を考えたんだろう。漱石の住んでいた街を歩きながら、彼の抱えていた孤独がどのようなものだったのか思いを馳せました。

【住所】81 The Chase, Clapham, London

 

ロンドン散歩でタイムスリップして空想の旅へ

私のブループラーク巡りのたびはまだまだ続いています。「この人もロンドンに住んでいた時期があったのね!」と、次から次へと新しい発見があります。

他にも紹介したい人物やエピソードが沢山あるのですが、長くなるので続きはいつかまた機会があったらご紹介します。

音楽や美術や読書をしていて知っていた人物が「かつてここに生きていたんだ。時を超えて同じ場所の空気を吸っているのか」と思った時、私の妄想スイッチはオンになってしまいます。

「砂埃を立てながら今にもあの角から馬車がやってきてここに降りるのではないかな」とか、「あそこのパブで友達とビールを飲んだのかな」とか、ひとりタイムスリップして空想の旅に出てしまいます。

街並みが美しいからでしょうか?妄想に入りやすい何かがロンドンにはあるのです。

ロックダウンの間お出かけできないのは残念でしたが、美術館が開いてなくてもライブハウスが開いてなくても、私は時間を越えてイマジネーションの世界を旅していました。

ロンドンにはこんな散歩の楽しみがあります!

Written by 伊藤結子(イギリス)

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