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食べ歩き!シチリア・パレルモのストリートフードを楽しもう

2020年9月2日
桜田香織 (イタリア)

シチリアのスナックには1000年以上の歴史も!

シチリアと言えば美食の島、美味しい物が山程あります。島ですから勿論豊富な魚介を想像する方が多いかと思いますし、それは然り。

でも実はシチリア、ストリートフードが有名なことをご存知でしたか?しかも1000年以上前から存在するものもあり、驚きであります。

徐々に色々とご紹介していきたいと思っていますが、まずはストリートフードから始めてみたいと思います。

 

アランチーナ(ライスコロッケ)

まず代表的な物と言えば、アランチーナ、ライスコロッケです。

因みにパレルモではアランチーナと女性名詞が使われ、その他の町ではアランチーノと男性名詞になります。どちらでも通じますけど。

定番の具はミートソース、もしくはハムとチーズ。具によって形も変わります。

更に近年では具のバリエーションも増えてきて、サーモン、キノコ、サルシッチャ(イタリアの生ソーセージ)など、新しい味を楽しむ事が出来ます。

島の東側へ行くとピスタチオやナス入りなど、更に種類が沢山あります。

日本のイタリアンレストランでもアランチーナを出すところがあるようですが、私の知る限りたいていミニサイズ。

本場の物は女性の握り拳くらいの大きさでボリューム満点です。

 

コロッケとパネッラ

次に人気のあるのはコロッケとパネッラです。

コロッケは普通にジャガイモのコロッケですが、日本のものとは違って玉ねぎや挽肉は入りません。ジャガイモのみで、パセリかミントのみじん切りが入ります。

個人的にはミントの方が好き。意外かもしれませんが、相性抜群です。一口サイズのコロッケ、お酒のおつまみとしても最高です。

そしてパネッラですが、これはひよこ豆の粉を水と一緒に練り上げてから薄く伸ばし、油で揚げた物です。レモンを絞って頂きます。

ピッツェリアやトラットリアのメニューにも載っていますが、市場や街中の屋台で買い食いするのが楽しいです。なんと言ってもストリートフードですから(笑)

パレルモっ子はこれらを具にしたパニーノが大好き。日本にもコロッケパンが存在しますが、そのシチリア版と言えますね。

コロッケは他の町でも食べる事ができますが、パネッラはパレルモでしか出会えません。

 

パニーノ・コン・ミルツァ(モツバーガー)

3番目は少々ヘビーな物、「モツバーガー」です。イタリア語でパニーノ・コン・ミルツァと言います。

ミルツァとは脾臓のことで、実際は脾臓の他に肺も入っています。モツをラードで煮込んでからパンに挟むのですが、シチリアでは珍しく柔らかめのバンズです。

写真のようにチーズ入りが定番ですが、勿論なしでも頼めます。ラードで煮てあるので結構脂っぽいですから、苦手な人もいます。因みに私もその1人であります。

でも私の知り合いの殆どは美味しいと言い、「日本でやったら受けるはず」と言っていました。モツ好きな日本人は多いですからね。

 

スティッギオーラ(子羊・小山羊の腸のネギ巻き炭火焼)

4番目もモツ系です。子羊、もしくは子山羊の腸でネギを巻き、炭火で焼き上げます。

これは物凄い煙が出るのでレストランやトラットリアでは出会えません、市場や道端の屋台のみです。たまーに郊外のアグリツーリズもでも。

焼いてから小さく切り、レモンをギュッと絞ってパクッと口へ入れます。カリカリに焼けた表面が香ばしく、ネギとの相性も抜群です。

スティッギオーラという難しい名前が付いていて、これはシチリア方言です。イタリア語では?存在しない言葉です(笑)

屋台でも大抵は簡易テーブルと椅子が置いてある事が多いので、これとビールで一休み・・・が出来たら、パレルモ歩きでは上級編になりますよ。

これらは全てパレルモのストリートフード、未だ他にもありますし、土地が変わればそこでしか出会えない物もあるので、又の機会に他の物もご紹介していこうと思っております。

きちんと座って味わうレストランの食事も美味しいですが、買い食い感覚のストリートフードはそれと違った美味しさと楽しさがあると思っています。何しろ地域に密着した町の顔が見えてきますから。

Written by 桜田香織(イタリア)

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