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科学・読解力・数学3分野で世界3位!日本とここが違うマカオ教育制度5つの特徴

2020年8月1日
周さと子 (マカオ)

マカオの学校事情にカルチャーショック

マカオに来て受けたカルチャーショックの一つに、マカオの学校事情があります。

二人の子供(現在中学生)を持つ私は、日本の学校と異なることに驚いたり戸惑ったりを繰り返してきました。

マカオの学校は大きく分けると、公立ローカル、私立ローカル、インターナショナルの3種類です。

・公立ローカルの特徴:中国語とポルトガル語での教育。マカオID保有者は無償。

・私立ローカルの特徴:中国語と英語での教育。課題やテストが多く、いわゆるアジア式「詰め込み型」。学校によってマカオID保有者の費用免除。

・インターナショナルの特徴:英語またはポルトガル語での教育。いわゆる「考える力」を育てる欧米型。費用は高め。

各学校で理念やシステムは異なりますが、大まかに分けるとこんな感じです。ちなみにマカオには日本人学校はありません。

今回はマカオの教育制度、5つの特徴をご紹介します!

 

1.  3歳からお受験

託児所(幼稚園前)の卒業式

マカオでは3歳から学校生活が始まります。子供が3歳になる年の3月に受験し、合格した学校に9月に入学するスケジュールです。

受験と言っても3歳ですから、音楽に合わせて身体を動かせるか、先生の質問に答えられるか、親の子育てに対する考えをヒアリングする等が試験内容です。

受験に際して、親はどのような教育を受けさせたいかを決めて学校を選ばなければなりません。

どの言語メインで教育をうけるのか、アジア型か、欧米型か。狭いマカオでは、地域の学区区分がないため、全ての学校が考慮の対象になります。

当初、家の近くの学校でいいんじゃないぐらいに考えていた私でしたが、一番近い学校の受験説明会に参加したときに「前年度の入学倍率は7倍」という数字を聞いて驚き、慌てて夫家族と話し合った事を覚えています。

息子の時は5校、娘の時は4校ほど受験し、二人とも私立のローカル学校に入学しました。

 

2. 小学生から留年制度がある

特に私立ローカルはその傾向が顕著です。課題やテストが多く、良い成績をとることにプライオリティが置かれます。

マカオでは60点未満だと落第点となります。娘の学校の場合は、1年の平均成績で落第点が4科目以上あると留年でした。

そのため、試験前になると補習塾で夜遅くまで勉強する小学生も多くいて、親達が補習塾に夕食を届ける光景を見ることがよくあります。

息子と娘も試験期間は朝7時30分に学校に行き、21時過ぎに家に帰ってくるという生活で「働く大人より大変そうね。。」と思わず同情してしまうほど。

勉強の影響かどうかは正確にはわかりませんが、眼鏡をかけている子供達もすごく多いと感じます。

10年前の世界調査で、なんとマカオの高校生の43%が小学校・中学校・高校のいずれかで留年したことがあるというデータが発表され、議論の的になりました。ちなみに当時の世界平均は13%です。

その結果、留年制度や教育方針の見直しが反映されたようで、現在小中学校での留年率は約4%、高校では8%の留年率と以前ほどは高くないようです。(現在全体の何%が留年経験あるかのデータはなし)

留年制度があるなら飛び級制度もあってよさそうなものですが、それはないです。

 

次のページ小学生で3~5か国語学習。マカオの給食は?

(次ページへつづく)

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