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怒りとは何か。より良いコミュニケーションのために私たちができること

2020年6月8日
佐古祐子 (アメリカ)

SNS時代におすすめ小説4冊

SNSで誰かを攻撃することで日頃のうっぷんを紛らわせたり、深く考えずに誰かを否定したり攻撃する言葉を投げかけてしまう風潮があるという事実。

自分の言葉が誰かを傷つけるかもしれないという可能性、SNS時代のコミュニケーションと怒りについて今一度考えるためにおすすめの小説を紹介します。

1.嘆きの美女 柚木麻子著

引きこもりの「ブス」が「美人」たちの集まるサイトを見張りアンチ活動をするのだけれども、ひょんなことから「ブス」が「美人」たちと一緒に住むことに。

みんな色々あるんだよ。誰もが何かを抱えているんだよね。そんなお話。痛快です。

2.さらさら流る 柚木麻子著

昔付き合っていた男に裸の写真をアップされてしまった主人公。

人間が卑屈になってしまうこと、まっすぐな人への憧れ、自分の中の自意識との付き合い方、などについてです。

3.ナイルパーチの女子会 柚木麻子著

人気主婦ブロガーのブログに夢中になるがあまりに我を忘れて彼女を追いかけ、見張り続けるようになる商社勤めのキャリアウーマンの女性。

この人ならわかってくれる、友だちになりたい、そんな気持ちが暴走したときそれが攻撃に変わってしまう。

ここまで紹介した小説全部柚木さんの作品ですが、この作品を読んで柚木さんのファンになりました。すごい作品です。

4.ふがいない僕は空を見た 窪美澄著

コスプレしながら既婚女性と抱き合っている動画がネットに流出してしまった男子高校生を軸にした連作集。

彼のお母さん、彼の友人、彼のことを好きだった同級生の女の子、彼と寝ていた既婚女性、、、と一人称が変わります。みんなそれぞれ、色々ある。

おわりに

「みんなさ、色々あるよね。」

そう、想像することができれば、寄り添うことができれば「怒り」を歪んだ形でネットで爆発させたり、誰かをむやみに攻撃したり、人と衝突することも減るはずだと信じています。

攻撃するためではなく、わかり合うためにコミュニケーションを取ることができますように。

Written by 佐古祐子(アメリカ)

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