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新型コロナウイルス、ブラジル・サンパウロ州の現状

2020年3月23日
岩井真理

政府がブラジル全土共同体感染(transmissao comunitaria)を宣言

ついに3月22日、ブラジル政府は全土が共同体感染状態(transmissao comunitaria)である旨を宣言する政令を発表しました。

前回世界の新型コロナレポートが出た時、ブラジルは、カーニバル休暇の真っ最中。コロナウィルス問題に対して、かなり楽観的でした。

しかし、同日サンパウロにて1人目の感染者を発表して以降急増し、ブラジル国内における新型コロナウイルス感染確定症例数は以下の通りとなっています。(3月21日現在)

・確定症例数:1128名

・累計死亡者数:18名

多くは、サンパウロ州に集中していることから、3月20日に州知事は、サンパウロ州及びサンパウロ市は災害事態(Estado de Calamidade Publica)を宣言しました。

そのあとやや遅れ気味でブラジル政府が、政令を発表しました。国よりサンパウロなどの大きな州の方が対応が早く敏感です。

短期間で、すっかり空気が変わり、以下のような措置を3月17日以降発表、18日より順次実施されています。(州ごとに対応が異なるので、主にサンパウロ州の情報をお知らせします。)

 

【保健分野】

・集中治療室への490台の病床を追加する。

・23日より高齢者に対するインフルエンザのワクチン投与を開始する。

・医療専門家は60日間、休暇取得できない。

・市内におけるコロナウイルスの検査はアドルフォ・ルッツ研究所に加え、3月23日からはブタンタン毒蛇研究所でも実施される予定。

・3月23日以降,アルコールジェルはスーパーマーケット及び伯薬局・薬品店ネットワーク協会(Abrafarma)に登録している薬局店において、原価で販売されることになった。但し、購入できるアルコールジェルの数は一人2つまで。

私の住むアパートでも、早速エレベーターに張り紙がされました。パーティールーム使用禁止、ジムや子供の遊び場、プールも庭も使わないことをオススメしています。そして、エレベーター脇には消毒用アルコールがすぐに取り付けらました。

 

【教育分野】

・23日以降、学校を休校とする。(16日より移行期間とされていたが、殆どは既に休みに入っている)

 

【行政分野】

・簡易行政窓口(Poupatempo)は窓口対応せず、電話・オンラインでのみ対応。

・州は治安対策を強化。道路における警察の配備強化のほか、スーパー、薬局、保健所での監視も強化する。

・新たなイベントに対する許可証の発給の中止と、既に発行されている許可証を無効とする。

・60歳以上の公務員、妊婦、ウイルス感染の疑いのある者は自宅勤務とする。

・サンパウロ州政府は携帯電話会社(TIM,CLARO,VIVO)と提携を結び、3月19日からコロナウイルス対策に必要な情報を携帯のSMSで流す。同SMSはこれらの携帯電話会社の顧客1千5百万人を対象に流される。

 

【交通分野】

・州交通局(Detran)は窓口対応せず、電話・オンラインでのみ対応。

・市内の車両交通規制は中止とする。

・高齢者は混雑する時間帯のバス利用を控える。

・60歳以上の高齢者は外出を控えるよう警告する。食料・生活必需品の入手にはデリバリー・サービスの利用や親類や隣人の助けを求めることを推奨する。

・バスは終点に到着するたびに消毒液で清掃される。

・観光循環バスの運行を休止する。

・高齢者向けビリェッチ・ウニコ(プリペイド乗車券)の発給はメールにて行う。

 

【文化分野】

・すべての文化施設を閉鎖とする。

・3/23〜4/5まで州立公園及びサンパウロ市立公園は閉園となる(イビラプエラ公園含む)。

ブラジルは、なぜか公園まで閉鎖しています。地元のタカラウ公園も写真の通り、閉まっています。ベンチに座って休んだり、飲食店もあるので、かなり厳重。いつもの週末なら、ジョギングする人達で溢れているのに、閑散としています。(1番上の写真)

 

【スポーツ・商業施設分野】

・市内スポーツ施設(Centros Esportivos)を閉鎖とする。

・地域クラブ(Clubes da Comunidade)はその限りではないが,イベントを開催しないことを推奨する。

・ショッピングセンター及びスポーツ・ジムは、その大小を問わず、3月23日から4月30日まで全面閉鎖される。

私の住むカンピーナスで最も人気のえるショッピングモール「イグアテミ」も閉鎖。駐車場もガランとしていて、全く活気がありません。

 

【入国制限】

・3月23日より発動、日本を含む36ヶ国(中国、全てのEU加盟国、アイスランド、ノルウェー、スイス、英国、豪州、日本、マレーシア、韓国)からの空路3月23日から制限する旨の政令を発出。

他方、物流は維持され、ブラジル人、ブラジル居住者及びブラジル政府の認可を受けた外国人専門家等には適用されないとしております。

いずれにしても、ブラジル入国に際し,何らかのブラジルの査証を事前に取得していても、国家移住登録証(portador de Registro Migratorio Nacional)を保有していない場合は、発動対象国からの外国人は入国は不可となりました。

具体的に言うと、この春の異動でブラジルへ来る予定の駐在員は、日本で所定のビザを取得していても、23日以降の入国が制限されることから、渡伯予定を前倒しにして3/22に着任するように予定変更した方も周りにいます。

・南米諸国からの外国人(日本人を含む)の陸路入国(アルゼンチン、ボリビア、コロンビア、フランス領ギアナ,ガイアナ、パラグアイ、ペルー、スリナム(ウルグアイについては,別途,国境に関する特定政令による。))を制限する。

 

州内全てのレストラン、カフェ、バーが閉鎖

そして、3月21日に更なる衝撃の規定が決定されました。

サンパウロ州政府は、3月24日(火)から4月7日(火)までの15日間、サンパウロ州内の全ての645の市町村において、不要不急の商業活動を規制する政令を決定。同政令により,州内全てのレストラン、カフェ、バーが閉鎖される事になりました。(デリバリー・サービスは規制対象外)

なお、医療、治安、清掃、食料品(スーパーマーケット等)、燃料供給、銀行、公共交通機関等の必要不可欠なサービスは継続され、工場については通常通り稼働されるようです。

軍警の協力の下、市内監視実施も宣言されてます。確かに、街の中に警察官の多いことに気づきます。

特に、営業している薬局などでは物々しい雰囲気でパトカーが停まっているし、高級レストランの前にも警官が配置しています。閉鎖した店は空き巣のリスクが高まるからでしょう。

10日前とは打って変わった雰囲気のブラジル。

発令は日々変化していており、政府の発表を見逃さないようにする事がとても重要になって来ました。

スーパーでも保存しやすい食品の買い溜めや、トイレットペーパーなどは品薄になりつつあります。現在は夏の終わりのブラジルですが、マスクをする人も多く見られるようになりました。

州ごとの対応に比べると当初反応の鈍かったブラジル政府も3月17日に、新型コロナウイルス感染者等に対する強制措置に関する省令を発表しました。

同省令によれば,パンデミックへの衛生対策の有効性を高め,新型コロナウイルス拡散を防止するため,管轄機関によって課せられた規則に従わない場合は,刑法違反に問われる可能性があり,収監や罰金が適用され得るとしております。(ペナルティーの方が先行するのが、ブラジルっぽい。)

先週は、「何人かの州知事は、世界の終わりのようにヒステリーになり、間違った措置をしている!経済はうまく回っているのに(回ってませんよ、あくまで大統領の意見)それを台無しにしている」と、発言した危機意識の薄い大統領の態度に不安な気持ちの国民たちによる、パネラッソ(ベランダで鍋を叩く政権への抗議行動)があちこちで発生しています。

こんな時に頼りになるのはデリバリーサービス。うちでも、韓国料理をとってみました。但し、スーパーマーケットはセーフ!営業中です。日本食料品店は、私達の命綱です、とりあえずお米を買い込んであります。

とはいえ、カフェ巡りが趣味になっている私は、本当に楽しみを奪われた気がして、週末と月曜日はカフェ納めをしていました。

カフェのテーブルにも一つずつ、アルコールジェルが置かれています。

日々ますます緊張感が高まるブラジルです。

Written by 岩井真理(ブラジル)

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