MENU

ブラジル・リオ、本場カーニバルのエキシビジョンへ行ってきました!

2020年3月11日
岩井真理 (ブラジル)

まさに動く遊園地のような山車2500〜4000人からなるパレード

リオには12の大きなチームがあり、今日の6つもその中のチームです。1チーム2500〜4000人いて、この人達がパレードに参加し、様々な役割を果たしています。

まず、チームのシンボルである旗を持って踊る女性はポルタ・バンデイラ(porta-bandeira)、彼女をエスコートしながら踊る男性はメストレ・サラ(mestre-sala)と言います。この2人はチームの顔でダンスの達人が務めます。

ひとつのチームに数組いて、長いパレードにアクセントを加えます。コンテストではエレガントさが求められるので、激しいサンバのステップは踏みません。付かず離れず、無言で息を合わせて踊ります。

メストレ・サラとポルタ・バンデイラのすぐ後に続くのは、コミッサオン・ジ・フレンチ(comissão de frente)という10〜15名のダンサーです。彼らはパレードのテーマを表現し、ストーリー性や世界観を表す素晴らしいダンスです。

チームの中心を成すのは、バテリア(bateria)という打楽器隊です。あの賑やかなリズムは数種類の楽器で奏でます。隊の最前列ではヂレトールダバテリア(diretor da bateria)が指揮をして、インテルプレチ(intérprete)と呼ばれる歌手や、隊の女神であるハィーニャダバテリア(rainha da bateria)にも合図を送りテンポを保ちます。それぞれの衣装もめちゃくちゃ豪華です。

その後は、ベテラン女性のみで構成されるバイアーナ(baiana)。ブラジル北部の民族衣装の丸いスカートの裾をくるくる回しながら行進する光景は、動きが揃っていてとても美しい!

そして、パレードのメインの演出、カーホ・アレゴリコス(carro alegóricos)は、目を見張るものがあります。まさに動く遊園地か建物の様な山車です。ひとチーム4〜6台あり、練りに練った装飾もテーマに合わせた仕掛けになっています。

 

やはりチャンピオンチームはすごかった!

1番すごかったのは、やはりチャンピオンチーム「Viradouro」のものでした。

海近くの岩場をイメージした装飾の上にダンサーが立ち、穴に飛び込むと、装置が動き出して水槽の中で泳ぐ人魚が現れました。それぞれのカーホ・アレゴリコスは、パレードの途中で動いたり開閉したりしますが、この仕掛けは格別!さすがチャンピオンチームです。

そして私達がイメージするカーニバルの姿は、露出の多い衣装と背中に大きな羽をつけて激しいサンバステップを踏むパシスタ(passista)です。鍛え上げた体と軽快なステップで観客を魅了します。

2組目の「Salgueira」のパレードが終わる頃には、また雨が降って来ました。その後、雨は止むことなく、むしろ激しくなって来ました。カッパの下の服も濡れて来たし、足元も、ぐちゃぐちゃです。

それでもずっと観ていたい!この場を離れたくはありません。屋根のあるVIP席がちょっと羨ましかったけど、よく見るとみんな外へ出て濡れながらも音楽に合わせて踊っています。特に優勝チームのパレードは、会場全体を巻き込み、1時間半近く演技をしました。優勝賞金でまた来年もすごい仕掛けをするんだろうなぁ〜。

ちなみに、リオのパレードはチケット収入だけで4000万レアル(約10億円)、優勝チームはその半額ほどの賞金が貰えると言います。一年のうちのこの時のために、時間もお金も、人生までも掛けて打ち込むブラジル人魂に脱帽!

びしょ濡れで機嫌悪そうな夫を尻目に、私は大満足の一夜でした。午前5時、空が白々と明けて来ました。

Written by 岩井真理(ブラジル)

1 2

この投稿をシェアする

イベント・セミナー一覧へ
コラム一覧へ
インタビュー一覧へ
ブックレビュー一覧へ
セカウマTV一覧へ
無料登録へ