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新型肺炎コロナウィルス騒動とマカオの旧正月

2020年2月3日
周さと子 (マカオ)

人口密度世界一の街のコロナウィルス対策

中国武漢発祥の新型コロナウィルスが猛威を振い続けていますね。

今年の旧正月(1月24日~1月30日)の期間、中国、香港、マカオははこの新型肺炎騒動の真っただ中にあり、普段とは違った正月を過ごすこととなりました。

私の住むマカオは、人口密度が世界一であることに加え、年間約4000万人の観光客が訪れます。そのうち2800万人が中国からです。

誰かがウィルス感染しようものなら、爆発的に増えてもおかしくない街です。

そのためマカオ政府は早い段階で厳戒態勢を取り、1月22日に最初の新型肺炎の感染が確認されてからはすぐに対策を打ち出しました。

・政府機関、カジノ施設での体温確認実施

・備蓄マスクの解放と新規マスクの確保

・旧正月(1月24日~)のイベントや行事をすべて中止

・学校の旧正月休みを1週間延長

感染者が5人(いずれも武漢からの旅客)に増えた1月26日以降には、

・過去14日以内に湖北省に滞在した人の入境は基本的に禁止

・湖北省から来た旅客の帰国を促し、マカオに継続滞在する場合には指定施設へ移ってもらう

・公共スポーツ施設の利用停止

・銀行、政府機関の正月休みの延長

他にも飛行機やフェリーなど、一部運行の停止などしています。

そんな状況ですから、マカオ市民も出来るだけ人込みを避けなければなりません。

こうして街から人が消えたのです。

 

中国への旅行がドタキャンに

私達家族は本来旧正月に、義父母と一緒に広州への旅行を予定していました。ところが出発前日の1月24日、旅行会社からツアー中止の連絡があったのです。

こうした中国への旅行中止の措置は香港でも同様に行われ、香港では9万人、マカオでは4千人に影響があったと報道されていました。

義母は「旅行の予定だったから食事の準備なんてしてないよ~」と慌て、元旦に食事ができるレストランをなんとか探して予約を入れていました。

1月25日元旦、カウントダウンも花火もイベントもなく静かに迎えました。爆竹の音も全く聞こえてきません。雨模様で気温も低く、家にこもるには適しています。

お昼は家族で飲茶しました。

レストランは満席でとても賑やか。レストランスタッフ達もこの日ばかりはお客から利是(お年玉)がもらえるため、めちゃくちゃ愛想がいいです(笑)

そのあとは、街に出ることなく再び家でNetflix鑑賞。子供達と、ウィルス感染系のパニック映画やホラー映画をキャーキャー言いながら見ました。

そして夜。昼間と一緒のレストランで家族で食事。昼間ほど混んでおらず、スタッフは手持ち無沙汰な印象です。

正月2日目。

この日は、親戚宅にて新年の食事会。子供達は沢山のお年玉をもらってホクホク顔でした。そのあとはやはり、家で映画三昧。

テレビではもっぱらウィルス関連のニュースを流していたせいかいつもの正月らしい歌や賑やかなバラエティは目にしません。

マカオにいる友人達とチャットでやり取りするとみんな退屈そうな様子です。とはいえ、一か所に集まって遊ぶにはやはり気が引けてしまうので情報交換するのみ。

 

マカオで一番有名なお寺「媽閣廟」の様子

正月3日目。

街の様子を見たかったので、初詣に行くことにしました。

しっかりマスクをつけて、目指すはマカオで一番有名なお寺「媽閣廟」へ。

いつもは観光客でごった返している観光地ですが、人はまばら!ほとんどの人がマスクを着用しています。

大量のお線香を持つとき火が人に当たらないように、普段は聖火ランナーのように掲げて歩くのですが、人がいないためその必要はありませんでした。

帰ってからはまたNetflixで映画を見て、夜はまた同じレストランで食事です。

正月4日目。

さすがに家にこもるのも飽きてきます。

同様に感じる人も多く、街に出る人が増えてきたように思います。

とはいえ、中国人観光客は昨年の同時期の90%減(!)であるのと、海外に旅行しているマカオ人達が不在なのとで、いつものに比べたら人の往来は少ないです。

 

スーパーで売り切れていた意外なものとは?

街行く人は9割以上がマスクを着けていて、着けていないと疎外感を味わうほどです。マスクをつけていなかった友人は、すれ違った見知らぬ人が「危ないから!」とマスクをくれたと言ってました。

スーパーに立ち寄ると、お米、カップ麺、缶詰、野菜が品薄になっており、まるで大型台風が来るときのよう。

また、お酢も品薄だったので「なぜ?」と思っていました。

すると義母曰く「お酢を沸かしたお湯にいれて、その水蒸気で消毒するため」とのこと。SARSの時は、そのような対策をしたのだそう。

中国からの流通が滞ることを心配しての買いだめのようですが、街市(ガイシ)と呼ばれるマーケットでは野菜が豊富にありましたので中国からの流通は今のところ問題はなさそうです。

本コラムを執筆している1月31日現在で、マカオでの感染者は7名(すべて武漢からの旅客)。

マカオ人への感染には至っていないという点で、政府や市民の対策は功を奏しているといえるでしょう。

そもそも人口が68万人と少ないので、政府の対策や管理が行き届きやすいということが一番の理由だと思います。

引き続き手洗いうがい予防に、免疫機能が弱らないように気を付けた生活を送りたいですね。

感染拡大が懸念されている新型肺炎、皆さまの地域でも、どうぞお気を付けて!

Written by 周さと子(マカオ)

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