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好きな国の法則。そしてエルメスのスカーフの思い出

2019年11月29日
土屋芳子

最近、コットンなど、自然からできる素材に興味がある8歳の息子。

蚕の作り出す糸からできる布、要はシルクを、どんな感じか触ってみたいという。

普段暑いからスカーフを巻くようなお洒落を全くしなくなったマレーシア生活で、クローゼットの片隅にしまっていたスカーフの中から、一番高級なものを取り出して、触らせた。

なめらかでハリがあって強さがあるけど圧倒的な美しさに、彼もうっとり大満足。

このエルメスのスカーフは、今でも十分に美しく、柄にも古さをまったく感じないけど、思い返してみると私が小学5年生、10歳の時に買ったものだから、もう33年前の製品ということになる。

もうそんなに昔のことなのかと思ったら、懐かしく思い出がよみがえってきた。

あるとき父が研修旅行で1か月ほどヨーロッパを巡り、妻子にもその世界を見せたいということになり、私が10歳の時に、生まれてはじめて、母と姉と3人で海外旅行に行ったのでした。

確か、フランスのパリと、イタリアのローマ、フィレンツェ、ベニス、そしてドイツのどこかとスイスのチューリッヒと、イギリスのロンドンに行ったかな。

7日間か10日間かそのくらいの長さの添乗員付きパッケージツアーで、はじめてのヨーロッパ、はじめての母子旅行ということで、母は100万円を腹巻か何かにいれて、肌身離さずにいるくらいの意気込みだったようです。

うちは、父が働き出してから定年退職するまで、ずっと公務員家庭で、いわば中の中くらいの普通の家庭。

教養になりそうな、本とか音楽とかそういうものにはお金はかけるけど、ファッションなどには無知な感じ。家がある、東京から電車で70分の郊外には、ブランドショップとかもまったくありませんでした。

そんな中、母は、「パリにはエルメスという高級なお店があるらしい。せっかくパリに行くんだから、記念に革のバッグを買おう。5万円とかするかもしれないけど、思い切って買おう。」と意気込んでいました。

そしてパリでいざエルメス本店に行くと、想定していたのをはるかに上回る価格。

5万や10万でエルメスのバッグが買えるはずもなく、あまりの高価さに驚き、それでも記念だからと、親子みんなで使えるからと、スカーフを1枚だけ買ったのでした。

その時は確かスカーフは3万円くらいだったかな?触るのも恐れ多い感じで、ずっと家宝のように保存され、その後大学生になった私が受け継ぎ、たまに使ったり、使わなかったり、なんとなく手元にありました。

あれから33年たった今では、そんなエルメスの価格にも驚かなくなりましたが、今でもいい思い出です。(その旅行のときには、もう1つ、イタリア記念として小さなカメオのブローチを買ったのですが、私が社会人になったばかりのときに、一人暮らしの家に空き巣が入り、なくなってしまいました。)

さて、旅行に行くのに最も好きな国はどこだろう?と考えると、私が最も好きなのは、フランスのパリ。

こう思うのは、きっとはじめての海外旅行の場所がパリだったから、印象が強いし、ワクワクドキドキ感が大きいからではないかな?と思い、友人達にも聞いてみました。

「大好きな海外の国や街を1つ教えて」と聞くと、みんな、はじめての海外旅行先だったり、家族が別荘を持つとか親戚がいるとかで、子供のころから頻繁に訪れている国を、「大好きな国」に揚げる人ばかりだったのです。

やはり、強烈なワクワク感を感じていたり、家族との楽しい思い出がある場所だったり、子供の頃の体験と、「好き」が結びつくのですね。

新しい法則だと思いませんか?

まわりの人に聞いてみてください。きっとこの法則があてはまりますよ。

Written by 土屋芳子(マレーシア)

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