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キャリアは上昇するだけの一方向ではない。自分らしく働くオランダ女性の社会進出の実情

2019年11月13日
藤本シタル陽子

皆さん、こんにちは。オランダの南部アイントホーフェン(Eindhoven)在住の藤本シタル陽子です。

今回は日本からオランダに来て見て感じた女性の社会進出について書いてみようと思います。

私自身のことになりますが、日本で働いていた頃は、30半ばになっても結婚もせず仕事第一で働いていたため、「バリキャリだね」と言われることもしばしば。また、オランダにも単身MBA取得のために来たため、キャリア志向がものすごく高い人間だと思われがちです。

しかしながら実際は、日本で仕事一筋で、独りで生きていくことに相当な疑問を感じていました。

平社員で定年までいる女性が少ない環境でしたので、キャリアを追い求めても、ある程度の年齢までに部長職についておかないと将来の選択肢が限られてくることは疑問どころかちょっとした恐怖でした。

学生時代のノリのまま、頑張っていい成績を残していれば順調なはずだったのに、気づけば仕事はうまくいっているけど、長期的に見ると将来不安な状況に陥っている。同じく肩を並べて頑張ってきた男性社員は気づけばみんな立派に家庭を築いている。

あれ、こんなはずじゃなかった、一旦日本から出て自分の人生を立て直してみよう、というのが本音でした。

さて、北欧諸国に続いて今年も幸福度ランキング5位のオランダですが、さぞかし女性の社会進出が進んでいるだろうと思いきや、大手企業を中心に就職活動中のMBA同期の女子学生たちから疑問の声が。

「面接官にほとんど女性がいない!」

そして実際働き出してみると、

1. (業種にもよるが)男性の管理職率が高い。
2. 職歴が8年以上ある30歳以上の中堅社員の女性層が薄い。
3. 子どもとの時間を第一に考える女性がほとんど。
4. かと思えば、「フリーランス」の女性のマネージャー(管理職)なる人が結構な頻度で登場する。

といったことが共通して職場で見られました。

オランダ人の女性はものすごく家庭を大切にします。

出産後パートタイムや週4勤務に切り替える人が多いのですが、日本と違うのはパートでも今までと同じ仕事を続ける点です。

また自分の専門分野で会社を設立して、フリーランス契約で半年から1年といった期限付きで管理職として務めるといったこともよくあります。A.I. = ad interimとLinkedInの職歴につけている人がそれに当たります。

私はオランダに来て初めてこの言葉を知りました。

つまり、オランダのキャリアは上昇するだけの一方向ではないということです。

もちろん男性並みに働いているオランダ人女性もいますが、それ以外にも「自分らしく生きる」選択肢が日本よりもあるように見受けられます。

もちろん、勤務時間を減らすとお給料は下がりますが、そもそもオランダには所得税とは別に「富裕税」が存在し、30,000ユーロ(約360万円)以上の貯蓄には1.2%前後の税金がかけられます。あくせく働いたところで、稼いだ分はほとんど税金として持っていかれるのです。その分最低限の生活はしっかり守られていますが。

それであれば子供と過ごす時間を大切にしながら自分がやりたいことをパートタイムで継続したり、新たなビジネスを起業したりする方が理にかなっています。

日本では頑張って身を粉にして働いても結局男性型のキャリアパスに乗るしかなく、下手をすれば結婚・妊娠のタイミングを逃してしまう女性のキャリア。

出産という女性にしかないライフイベントのために、男性よりも選択肢が多く複雑になりがちな女性の人生ですが、だからこそ「自由に生きればいい、女性の社会進出って管理職として上に上がるだけが全てじゃない」とオランダ人女性の生き方から少しずつ学んでいきたいと思っています。

【参考文献】
実は「オランダもまだまだ」?女性問題シンクタンクに話を聞いたら見えてきた意外な一面【オランダ視察レポートその2】
https://florence.or.jp/news/2019/01/post29974/
男女平等にこだわりすぎない文化も 北欧が世界一働きやすくなった意外な理由
https://president.jp/articles/-/28663

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