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ドイツとオランダの従業員の休暇や病欠に対する意識

2019年10月14日
藤本シタル陽子

皆さん、こんにちは。オランダの南部アイントホーフェン在住の藤本シタル陽子です。

今回は、ドイツとオランダでの従業員の休暇や病欠に対する意識についてお話ししたいと思います。

 

「ホリデーですが、何か?」に対応できる組織作り

日本では過労死などの深刻な問題からサービス残業や有給の未消化といった身近な問題まで、労働に関しては独特の風潮や考え方があり、私自身の経験をふまえてもあまり他国に自慢できる環境ではありません。

私の住んでいるオランダは、ワークシェアリングでよく知られています。

同僚の休暇中に仕事をカバーし合うのは当然のことながら、個人レベルでも自分の休暇までに仕上がらないような案件が来た場合は、はっきり「出来ません」と却下します。

だからこそ休暇までに責任を持って自分の仕事を完了できるように、日頃から自分の休暇期間の宣伝は忘れません。

無茶ぶりに対応できなくても、それは仕事振る側の責任であり、受ける側の責任ではないのです。

私が働いていたオランダの某消費財メーカーは、なんと年間38日(マネージャーだと30日)も有給休暇が付与されるので、いつも誰かがいない状態ですし、チームメンバーの休暇の管理も一苦労でした。

「ホリデーですが、何か?」というこの態度、日本人からするとなかなか理解出来ないですし、私自身も日本での会社員時代、止むに止まれず会社のPCを抱えて旅行に行ったことも実は数回あります。

そんな私も今では、「ホリデーのためにプロジェクトを止めないようにするにはどうするか」だけではなく、「誰かのホリデーで工程がストップしても困らない」プロジェクト作り、チーム作りを心がけるようにしています。

 

有給と疾病休暇は完全に別物

また、病欠に関しても、日本だと有給を使って病院に行ったりしますが、有給と疾病休暇を混同することはこちらではまずありません。

ドイツだと、日本人がたくさん働いていることもあり、病欠の取り方を指南する日本語サイトもすぐに見つかります。

ドイツ人は本当にあっさりと1週間近く病欠を取りますし、そのために必要な証明書も簡単に近所の診療所で手に入れられます。(ドイツの法律で提出が義務付けられているのに加えて、従業員内で口コミもあるようです。)

ドイツの従業員の権利は守られているな、と感じる反面、自分の部下や同僚が辞表を提出した後、退職通知期間の間に「burnout (燃え尽き症候群)」を理由にこの証明書を出して来なくなったこともあるので、個人的にはこのシステムには少し疑問を感じています。

逆にオランダでは、このburnout を原因に病欠をとる同僚が周りにいなかったのですが、実はこれはドイツ人からすると国民性の違いもあるらしく、隣国オランダ人の「無理をしない」働き方から学ぶことはたくさんあると私の勤めていたドイツの会社のCEOが言っていました。

日本では、文化的が側面が強いのか、政府の関与の仕方がズレているのか、真面目で義理人情を重んじる働き者の日本人が労働環境を変えることは個人の努力だけではなかなか難しいです。

法律上は欧米に遜色なく整っているにもかかわらず、雇用者や従業員のメンタリティで運用できていない日本の制度。

働き方改革という言葉は、あながち大袈裟でないフレーズなのかもしれません。

Written by 藤本シタル陽子

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