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マレーシア最大の祭典、イスラム教徒のお正月のようなハリラヤ・プアサ

2019年6月10日
土屋芳子 (マレーシア)

多くの学校や会社が9連休となり、国がお祭りムードに

イスラム教徒にとって、約1か月の断食期間が終わりました。

2019年6月5日と6日は、断食明けのお祭り「ハリラヤ・プアサ」でマレーシアは祝日でした。

このお祭りは、ラマダン明けのマレーシアの最大の行事で、いわばイスラム教徒にとってのお正月のようなもの。

家中を掃除したり、家族で服を新調したり、ごちそうを用意して、家族や親せきを出迎える準備をします。

祝日は2日間となっていますが、6月5日の水曜日から6月9日の日曜日まで5日間通して休みにしている機関がほとんどで、前の週から9連休の学校や会社も珍しくありません。

この期間、イスラム教徒はとにかく毎日親戚めぐりに大忙し。

オープンハウスといって、家族や親せきだけでなく、知り合いを誰でも招待して食事やお菓子をふるまいます。

日本のお年玉と同じ習慣もあり、親戚や友人の子には5〜10リンギット(1リンギット=約26円、2019年6月現在)、遠い関係の子には2リンギットをあげることが多いです。

各州の王様も、とくに悲しい出来事が年内になければ、国民向けにオープンハウスを行うこともしばしば。

ジョホールの王様も、今年は開いてくださったようです。マレー料理のケータリングを来た人誰にでもふるまってくれるなんて、太っ腹でびっくり。

そして驚くことに、お年玉袋も配られるのです。友人がもらったのですが、デザインもカッコいいです。いくら入っていたかは内緒です。

Photo by #JBeeLives

 

ハリラヤは緑がテーマカラー

洋服を新調する際、家族全員でおそろいファッションにするのがトレンド。

おじいさんから孫まで、すべて同じ形や柄の服を着ることもありますし、テーマ色だけを決め、同じ色で違う形の服を着ておそろいにすることもあります。

この時期、私のFacebookは友人一家のおそろい服の集合写真であふれ、華やかでおめでたい雰囲気になります。

去年は、蛍光色のサテン素材のド派手なおそろいファッションを見ることが多くてびっくりしたのですが、今年は落ち着いた感じのように見受けられます。

また、大家族自慢の写真を見ることも増えるのがポイント。マレー人は、4人兄弟や6人兄弟など、子供が多い家が多いので、いとこやはとこなど家族一同がそろうと、かなりの大人数になります。

まれにお爺さんに妻が4人いる、などの場合、一族で100人越えになることもあり、集合写真は圧巻です。

イスラム教以外の人々は、長期の休みなので旅行に出ることも多いです。私は今年は、クアラルンプールのホテルに連泊してのんびりすることにしました。

近くのいくつかのショッピングモールに行ってみましたが、信じられないくらいの混み具合。緑色の華やかな装飾が、おめでたい気分を盛り上げます。

チャイニーズニューイヤーの時には赤色一色になるマレーシアですが、ハリラヤのこの時期は緑色が使われることが多いです。これは、緑色がイスラム教の象徴的な色とされているためだそう。

コーランに記載の「天国に住んでいる 者は、上等な絹の緑色のガウンを羽織っている」という節の解釈からきているとか、イスラム教の開祖ムハンマドのターバンの色が緑だったため、などの解釈があるようです。

Written by 土屋芳子(マレーシア)

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