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マレーシアのラマダン期間ならではのお楽しみ 【後編】「ラマダンバザール」

2019年5月17日
土屋芳子 (マレーシア)

伝統的なマレー料理、流行りの料理、オリジナル創作料理が数多く並ぶ

5月6日から6月3日まで、約1か月にわたるラマダンがはじまりました。

ラマダン期間中は、日の出から日没まで、日の出ている間は一切の食べ物と飲み物を口にすることができません。そのため、日没後の食事が格別です。

この時期ならではのお楽しみとして、【前編】でご紹介したラマダンビュッフェともう一つ、ラマダンバザールがあります。

ラマダンバザールは、だいたい午後4時ごろから日の入りの時間頃まで続く食べ物の屋台。

この時期、日中は閉店しているハラルレストランや、出店申し込みをした一般の家族などが料理を仕込み、野外で販売します。お腹がすいて喉が渇くなか、一切味見をせず料理を作って売る彼らはすごいと思います!

屋台には伝統的なマレー料理が数多く並びますが、流行りの料理、オリジナル創作料理など実にさまざまな種類の食べ物も。

マレー系の方だけでなく、中華系など非イスラム教徒も、この時期ならではのさまざまな種類のマレー料理屋台を楽しみにしています。

ナシレマ、サテーという串料理、ブリヤニというピラフ、ムルタバというマレー流お好み焼き、鶏の丸焼きなどの伝統料理。 ロティジョーンはコッペパンに溶き卵をつけて焼き、甘辛いソースを挟んだサンドウィッチ。

ロティジャラはラマダン時期ならではの料理で、網目状に焼いた薄いパンケーキで、カレーソースをつけていただきます。

流行りの料理や新しいものとしては、チュロスや、甘いもち米とフレッシュマンゴーを一緒にいただくタイ料理、イカ丸ごとフライ、タコ焼きなど。 ロティジョーンを春巻きの皮で巻いて揚げた創作料理などもありました。

左上から時計回りに、ロティジョーン、ムルタバ、鶏の丸焼きサテー、ブリヤニ、ナシレマ

 

おいしそうなものがたくさん並んでいると…

この屋台でおいしそうなものを購入し、日没後に食べることを楽しみにするのはラマダン恒例のイベントです。

ただ、お腹がすいた状態で食べ物を見ると、いつも以上においしそうに見えて、どうしても買いすぎてしまうというのは人類共通。

日没後の食事の楽しみがより一層増えて、必要以上に食べ物を買いすぎることに、マハティール首相から苦言も。

「ラマダンは精神の鍛練などが目的の時期のため、お金を無駄にすることを避けるために自制するように」というメッセージが報道されました。

実際、日中に飲食をしていないラマダン時期の方が、人々は、通常の時期よりもたくさんお金を使っているという調査結果もあるそうです。 ムスリムの友人は、ラマダンについてこう言っています。

「ラマダンの時期は、欲望のコントロール方法を学び、間違いを学び、間違いをやめるようにするとてもよい時期です。

いつもあたりまえのように食べ物を買って食べていますが、簡単に食べ物を買う余裕がないときの彼らの気持ち、その空腹感を自分のこととして理解することができます。

ですから、それは私たちに貧しい人々を助けることを教えてくれますし、常に自分のことだけでなく、他の人々について考えるよい機会です。」

なんとたこ焼きもありました!

Written by 土屋芳子(マレーシア)

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