MENU

ガンジス河でバタフライ たかのてるこ著

2021年4月15日

笑いながら感動したい旅好きさんにおすすめ

ヒンドゥー教徒にとって聖なる、あのガンジス河でバタフライしているかなりぶっ飛んだタイトルと表紙に惹かれ、買ってみたこの本。

読み始めてみると、やっぱりぶっ飛んでいた。

本書のはじまりは、著者が二十歳の時に初めて海外へのひとり旅に出るところまでさかのぼる。

6歳年上の兄の影響で旅への憧れを抱きつつ、なかなかきっかけがつかめずにいた著者は、就職活動前最後の夏休みに「今、生きている実感がほしい」と急に決意を固め、行動に移す。

行き先は、香港とシンガポール。香港映画好きだったため、香港スターと同じ空気を吸ってみたかったというのが理由。シンガポールは追加5000円だったので、勧められて勢いで追加、出発は3日後という急展開。

出発前からジェットコースターに乗っているようだ。

チケットを買った瞬間から生きた心地がしないほど、「こわいこわい」と言いながらも、ぐいぐいとすごいことをやってのける。

例えば、マレーシアで鉄道を5時間待っている間に、突然「アナタ!ソコデ ナニシテル!!」と強い口調の日本語で話しかけられ、結局その青年の家まで着いて行ったとか、ガンジス河で目をつぶって手を振り回していたら、流れてきた死体をぶっ叩いてしまったとか、枚挙に遑がない。

冒頭にも書いてあるが、たかの流の旅スタイルは、出会いがすべて。出会った人の家を泊まり歩く、行き当たりばったりの旅になってしまうのだ。

自分ほど気の小さい人間はいないというくらい、ムチャクチャな心配性だというのに、こんな行動ができてしまうのが本当に不思議である。誰だって、特に女のひとり旅であれば、どんなに用心してもしすぎではないだろう。

でも、たかの氏はこれを非常に高いコミュニケーション力でやってのけているように感じる。そして、現地の人たちに深く入り込んでいく。

英語は決して得意ではないというが、出会う人たちと身振り手振りを交えていろんな深い話をしており、表情や対話を通して相手を見抜いているのだと思う。

現地のディープなところに入り込んで、現地の人たちと一緒に笑ったり、怒ったり、感情をぶつけ合う。そうすることで、異文化を持つ人たちを理解するきっかけになるのだと思う。

だから、彼女の旅にはとても心を動かされるものがある。私にはとても真似できないこの旅のスタイル、読んで体験したような達成感がある。

この本を読み終わったら、ぜひまた巻頭に戻って、写真を見返してほしい。文章で読んだショットを見返していると、なんだか知り合いの写真を見ているような気分になる。

みんないい表情をしている。いろんなことがあるけれど、やっぱりこの世界も悪いものじゃないと思った。

<旅好きさん必見!>

5月の世界ウーマン交流会のテーマは「トラベル」。移動がしにくい今だからこそ、旅をテーマにしたトリビア、情報交換、おしゃべりで盛り上がりませんか?詳細はこちらから。

Written by 藤村ローズ(オランダ)

この投稿をシェアする

ヨーロッパ
北アメリカ
南アメリカ
アジア
アフリカ
オセアニア
イベント・セミナー一覧へ
コラム一覧へ
インタビュー一覧へ
ブックレビュー一覧へ
セカウマTV一覧へ
無料登録へ