志田未来主演で映画化もされた本書は、涙なくして読み終えることはできないだろう。そして、あまりの一途な愛に感動すら覚える。
この本の主人公は、クラウンとして活躍する”クラウンもっちぃ”こと、本書の著者である望月美由紀さん。
クラウンとピエロは厳密に言うと異なるらしいが、さまざまな派手なメイクを施し、人々を楽しませるのがお仕事のイベントの人気者である。
幼少期から目立ちたがり屋だった望月さんは、イベントで見たパーフォーマーたちの姿に感動し、クラウンとしての道を歩み始める。
クラウンとしてのキャリアは一筋縄ではいかず、何度も挫折しそうになりながらも、人々を楽しませたいという気持ちで続けてきた。そんな中、未来の伴侶となる一衛さんと出会う。
二人の結婚までの道のりも困難を極めるものだったが、一つずつ強く、明るく乗り越えていく二人、しかし結婚後の二人にはさらなる悲劇が待っていた。。。
なんて切ない恋、激動の新婚生活、そして突然の永遠の別れ。
私だったらこんな状況は到底受け入れられないと思う。あまりにも悲しすぎる二人のストーリー。あまりにも悲しすぎて、読みながら泣いてしまった。
望月さんは本当に強い人だと思う。こんなにも自分の夢を追いかけ、一人の人を愛し続けるということは多くの人にできることではないだろう。
少なくとも私はそうだ。もっと現実的に考えて、彼との結婚は諦めたと思う。そうでないと辛すぎて耐えられないからだ。
だからこそ、この本から勇気と信じる強さをもらったような気がする。ピュアで愚直なまでの真っ直ぐさ、多くの大人が失ってしまった純真さがここにある。
この本を読みながら「運命」というキーワードがふっと頭に浮かんでくる。どんなに違う方へ行こうと思ってもそこへ行ってしまう、行かされてしまう巡り合わせ。
二人にとっては辛い運命だっただろうが、それでもなお笑顔で生き続けようとする望月さんの姿勢に思わず応援したくなっている自分がいる。
そんな”クラウンもっちぃ”こと望月さんは、精力的に活動を続けている。よかったら彼女のサイトに遊びに行って、イベントに参加してみては?
こんな運命を乗り越えてきた彼女のもたらす笑いなら、あなたがどんなに落ち込んでいる時にでもきっと笑いをもたらしてくれることだろう。
Written by 藤村ローズ(オランダ)