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「日本人の結婚の難易度が上がっている理由とは」結婚不要社会 山田昌弘著

2020年7月13日

結婚に何を求めるか?欧米では結婚しないカップルが増えている

あなたは結婚に何を求めるだろうか?

あるランキングで女性が結婚相手に求めるものは、1位価値観、2位人柄、3位経済力、4位年齢、5位見た目という結果が出たそうだ。

この本の冒頭にある、

結婚は、幸福を保証しない。

この点が理解されるなら、結婚はもっと、増えるのではないか。

という記述。2015年の国税調査によれば、30代前半の未婚率は男性47.1%、女性34.6%で、1975年のそれと比べると男性14.3%、女性7.7%と大幅に上昇している。

もし人は幸せになりたくて結婚をするとしたら、現代は結婚しなくても十分に幸せを手に入れられる社会となったと言えるのかもしれない。

つまり「結婚不要社会」、本書のタイトルである。

ただし注意しなくてはいけないのは、未婚率が上がっているからといって、結婚したくない人が増えているとは限らないということ。「結婚したい人が結婚できない」というのは大きな問題で、どちらであるかは注意深く見極めなくてはならない。

西欧やアメリカでは事実婚が浸透しており、オランダ在住の私の周りにも事実婚カップルで子供を持つ家族も多くいる。家族揃って学校行事やスポーツに参加したり、休みの日にはお互いの実家を訪れたり、いわゆる普通の家族と同じように見える。

子供の頃から結婚願望のなかった私はヨーロッパに来て、雷に打たれたような衝撃を受けた。結婚しなくても子供を持ち、家族として育てていけるという事実。

日本では、ひとり親というとどうしても暗いイメージがつきまとう。戸籍上でも普通と違った記述をされてしまう。親からも「親戚や周囲に説明がつかない」などと言われそうだ。

日本でも自治体によっては事実婚を認める動きはあるものの、まだほんの一握りで法整備も十分に整っているとは言い難い。そんな中で、自分自身や子供にリスクを背負わせる勇気のある人は多くないだろう。

またヨーロッパでは、再婚に対するハードルもかなり低い。離婚やカップル解消は多くとも、セカンドチャンス、それ以上でもパートナーを持つことに前向きであり、社会の中でそれは当然だと考えられている。この点も日本と大きく異なる。

 

日本は「結婚困難社会」

では、日本において「結婚したくない人が増えている」のか「結婚したい人が結婚できない」のか?

筆者の社会学者である山田昌弘氏によると、日本では結婚したい人が結婚できていない、つまり日本は「結婚困難社会」であるという。

その原因となっているのが、戦後作り上げられてきた強固な日本人の意識。

自分や自分の父親よりも収入の高い男性と結婚するのが当然だと思っている女性が多いが、経済が低成長期に入って以降、そういう相手を見つけることが難しくなった。それにより、結婚は先延ばしになり、結果的にあぶれて結婚できない男女が増えている。

人々の意識がこのまま変わっていかなければ、この問題を解消するのは非常に困難だが、逆に言うと、人々の意識が変わっていけば結婚困難な社会が解消されてくるのではないだろうか。

本書では、戦後日本の結婚状況から、現代日本が抱えている問題、欧米の結婚状況、日本との違いなどについて、詳しく述べられているのでぜひ読んでみてあなたなりの考察を加えて欲しい。

一時期トレンドにもなった「パラサイトシングル」や「婚活」という言葉の名付け親でもある筆者。社会学者として日本の結婚への未来を深く分析してありとても興味深い。

従来通りの結婚観に疑問を感じている人、結婚願望はあるのになかなか相手が見つからない人などは、この本を読んで「結婚」について考え直してみてもいいかもしれない。

Written by 藤村ローズ(オランダ)

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