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ミステリと言う勿れ 田村由美著

2020年5月1日

コロナ騒動の中のできごと

ここ数ヶ月、あっちを向いてもコロナ、こっちを向いてもコロナ。テレビでニュースを見ても、スマホでSNSをチェックしても、流れてくる情報はコロナに関するものばかりです。

コロナ騒動が始まったばかりのころ、ドラッグストアの駐車場でトイレットペーパーを大量に車に乗せている人を見かけました。小さめのワゴン車は、わたしから見る限り、後部座席もトランクもトイレットペーパーでいっぱいです。

トイレットペーパー、日本だと12ロールセットで売っているので、2セットも買えば4人家族でも数週間は大丈夫なのではないかと思います。それを何個も何個も買って、次々と車内に収めていく女性。

その頃はちょうど日本で「トイレットペーパーが品薄になるかも」というデマが流れ始めた直後でした。

それもあって、わたしの頭の中はすぐに「あの人はデマに騙されている愚かな人」「ああいうことする人がいるから買い占めが起こって品薄になるんだ。ひどい人だなぁ。」という考えが浮かび、なんとなく嫌な気持ちになりました。

しかし、そのワゴン車のドアが閉められたとき、車のドアに「〇〇苑」という老人介護施設らしき名前が書かれていることに気が付きました。さらによく見るとトイレットペーパーを運んでいるその人はエプロンのような制服を身に着けています。この人は介護施設で働く人だったのです。

施設で一日に消費されるトイレットペーパーの数は一般家庭のそれよりも相当多いだろうし、万が一ストックが無くなってしまったら大変困ったことになることが予想されます。

「一般家庭でトイレットペーパーが無くなったら」という場合と、「介護施設でトイレットペーパーが無くなったら」という場合を比べたときに、危機感を感じるのは圧倒的に後者です。

こんな風に、人の行動を一部だけ切り取って判断するというのはついやってしまいがちなことですが、大変危険なことであり、できれば避けたいものです。

当初の考えがひどい勘違いだったことに気づいた私は、絶え間なく車の出入りがあるドラッグストアの駐車場でしばらく佇んでいたのでした。

「語り」で事件を解決に導くミステリー漫画

その後ドラッグストアの店内でお目当てのお菓子(なぜか日本ではドラッグストアの方がスーパーより安く買える)の棚に向かいながら思い出したのが、本日紹介する漫画、「ミステリと言う勿れ」でした。

「ミステリと言う勿れ」の主人公、久能整(くのう・ととのう)は、カレーをこよなく愛する普通の(?)大学生です。

毎回のお決まりの流れは、主人公が行く先々で次々と事件に巻き込まれ、そのたびに主人公の活躍により事件を解決していくというもの。

これ自体は様々なミステリー作品で見られるものですが、この物語で特徴的なのは、彼が事件の解決のために利用するのが特殊な能力や道具ではなく、彼の口からついつい出てきてしまう「語り」であることです。

彼の「語り」はあらゆることに対する深い思考に基づいています。

一見こう思えるけど、実はこうかもしれない。あなたにとってはそうかもしれないけど、あの人にとっては違うのかもしれない。

真実は一つではなく、人の数だけある。そんな風に多面的な捉え方をする彼の語りには説得力があり、周囲の人も「確かにそうかも・・・」と考えさせられてしまうのです。

彼の語りを聞いている(実際には読んでいる)と、世界は単純にはできてないということを思い知らされます。ミステリという枠におさまりきらない、大人が思わず考えさせられる漫画。

おこもり生活のお供にオススメです。

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Written by げんだちょふ(日本)

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