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楽園のカンヴァス 原田マハ著

2020年1月31日

美術館の思い出はありますか?

わたしの場合は、小学生の頃に親に連れられて美術館に行ったときの話です。祖父が趣味で作った銅像のようなものが県の展覧会で入賞したので記念にそれを見に行くということでした。

「ようなもの」というのも、祖父の作品が抽象的なもので、当時のわたしの認識では「重そうな金属でできているよく分からない物体」だったからです。

美術館には絵画や写真などの他の入選作品も展示されていたのですが、他の作品を見て味わうほどの感性を持ち合わせていなかったわたしは、祖父の作品を見つけて記念撮影をした後は特にやることがありませんでした。

飽きてしまったので親から離れて別の部屋へ行き、休憩できそうなベンチを見つけ、展示されている絵画に背を向けた状態でそれに腰掛け、外を眺めていました。

その部屋はなぜか人が少なく、また、壁一面がガラス張りで外の様子がよく見えました。天気もよく、そこから暖かい日差しが差し込んでいたのを覚えています。

そこでぼーっとしていると、突然「いい天気ですね」と話しかけられました。

びっくりして声のした方を振り向くと、おばあさん(小学生だったその当時はおばあさんだと思いましたが、今考えてみるとそんなにおばあさんではなかったかもしれません)が立っていました。

小学生だったわたしは知らない大人に話しかけられるということに免疫がなく、びっくりして固まってしまい、ろくな返事ができなかったように記憶しています。

 

いい年の大人になった今でも、絵画には正直あまり興味がありません。

旅行をすれば、観光ガイドブックに掲載されている有名な美術館に行くことはあります。しかし見たところで、好きか嫌いかぐらいの感想は抱いても、その絵の価値を理解するには遠く及びません。教科書で見たことのある有名な絵を実際に見れば「おおー、これがあの絵か」ぐらいは思いこそしますが、感動するまでは至りません。

本書は、ある1枚の絵に隠された謎を解く美術ミステリー作品です。

その絵とは、アンリ・ルソーの夢。現在はニューヨークのMoMA美術館にある、実際に存在する絵です。(本書の表紙もなっています。)

謎解きの依頼者はスイス、バーゼルに住む伝説の絵画コレクターであるバイラー。謎を解くためにバーゼルに招待されたのは2人のルソー研究者。MoMA美術館のアシスタントキュレーターのティム、そして日本人ルソー研究者の織絵です。

前出のように美術には全くもって疎いわたし。読み始めた当初は、予想以上に絵画中心に話が展開されていくので退屈に感じ、「もしかしたら最後まで読めないかも・・・」と感じていました。

しかしそんなわたしの心配を吹き飛ばしてくれたのが、ストーリーの途中で現れる1冊の古書の存在です。謎解きの重要な鍵としてティムと織絵が読むことになるこの古書。

読者はティムと織絵がいる現在進行中の世界とルソーのことを描いた古書の中の世界、2つの話を並行して読むことになります。この「物語の中にある物語」がルソーの描いた絵、またルソーその人に関心を抱かせ、読者をルソーが追い求めた芸術の中に引き込んでいきます。

そしてルソーの人生を追っていくうちに、誰もが知っている天才画家ピカソの名前が登場します。美術に疎いわたしでも「あの有名なピカソとつながっているルソーって一体何者なの?」とさらに興味を持たずにはいられません。

気づけば読み終わっていました。

本書を閉じたわたしが次に開いたのはパソコンです。「週末に美術館にでも行ってみるか」と、Googleで近場の美術館を検索し始めたのでした。

 

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Written by げんだちょふ

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