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最初のペンギン

2019年7月19日

国旗を持ったかわいいペンギンたちが表紙に描かれたこの本は、コラムか小説に見えるかもしれないが、実は語学本。

独自の「100時間ペンギン法」という外国語習得術を使って、主人公たちが語学を習得していく様子をストーリー仕立てで描いたものなのだ。

テレビなどで、南極のペンギンたちが氷の上に立ち、譲り合うようにぴょこぴょこと足踏みしている様子を見たことがあるだろうか?

なかなか誰も海に飛び込まず、飛び込もうとしてもやめたり、周りを窺うように首をきょろきょろさせてたりしている様子を。

見ている分には何ともかわいらしい光景なのだが、実はあの行動には裏があるという。

本当は早く飛び込んで魚を取りたいのだが、海の中には恐ろしい敵も潜んでいるからなかなか飛び込めない。誰かが先に飛び込んで、危険がないことを確かめてほしいという自然界の厳しさから取る行動なのだ。

そしてついに、ある一匹が意を決したように海の中へ飛び込む。

それを見て、安心した他のペンギンたちが続いて飛び込み、みんながエサをつかまえて生き延びることができる。

勇気を出して最初に飛び込む「最初のペンギン」がいるからこそ、群れ全体の運命が切り開かれる。

言葉の壁を打ち砕いて、どんどん運命を切り開いてほしいという願いを込めて、「100時間ペンギン法」と名付けたという。




この本の著者は、海外在住経験なく、独学で日本語・英語・中国語・スペイン・トルコ・韓国語・イタリア語・ポルトガル語の8カ国語をマスターした杉原洋紀氏。

そして、日本とトルコのハーフとして生まれ、外国人っぽい顔なのに英語が話せないというコンプレックスを克服、日本語・トルコ語・英語・スペイン語・中国語の5ヶ国語をマスターした堀口美奈氏。

1990年生まれの二人による共著である。この本を読めば、彼らは一体どのように多言語を習得していったのか、主人公になったつもりで体感できるかもしれない。

ちょっと主人公が若くて感情移入しにくいという人もいるかもしれないが、年齢に関係なくこの学習法を実践することはできるので、学生時代に戻ったつもりで読み進めてみるのがおすすめ。

 

具体的な学習方法を大まかに書くと、

1.自分に合った外国語を選ぶ

2.良質な薄めの入門書を1冊買い、早めに3周する。

3.やさしい日常会話フレーズ集を使い、繰り返し聴いてシャドウイング

4.ネイティブの友達と毎日会話しながら、「マイフレーズ」を身につけていく

ちなみに、中学英語まで学習してきた日本人にとって、もっとも学びやすい言語は韓国語だという。

文法や発音に共通点があるので、ハングル文字さえまず覚えてしまえば、かなり早く上達可能であるという。

それに続いて、英語。

自分の学びたい言語が10位以内に入っていなくても、がっかりしないでほしい。

私もそうだ。

私が今一番習得したいのは、オランダ語。

マイナー言語である上に、オランダ人は英語の流暢な人が多いのでつい英語で話してしまい、習得にかなり苦労している。

でも本書の中におすすめテキストがあったので、さっそく購入して「100時間ペンギン法」を実践してみたいと思う。

また巻末にある「マルチリンガル・トリビア」が意外に面白い。

日本人は「あぁ、そう」と相づちを打つが、ドイツ人もそのような場面で「アァ、ソウ」というらしい。使ってみたい。

日本の名字をイタリア語に訳すと、山田→カンポ=デル=モンテ。鈴木→カンパネラ=ディ=アルト。

格好いい名前のイタリアンレストランには気を付けよう。

多言語を学習する人にとって「へぇー」と共感できるし、「クスッ」と笑ってしまうこと間違いなし。

自分なりのトリビアを追加していってもいい。笑いながら読んでいるうちに語学学習欲が上がってきそうだ。

Written by 藤村ローズ(オランダ)

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