MENU

残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する

2019年4月29日

この本の原題は「Barking up the wrong tree」。直訳すると、「間違った木に向かって吠えている」で、見当違いのことをすることをいう。

狩りで獲物を木の上に追い込んだ猟犬がその木に向かって吠えているが、実は違う木だったり、獲物がすでにいなくなっていたりというところから来ている。

成功するためにはどんなに努力より、そもそも「正しい木」を選ぶ必要がある。

「間違った木」に向かって努力するのでは成功にほど遠い。「正しい木」を選ぶ方法を多くの具体例を挙げながら検証してくれるのが本書である。

実際、この本はすごい。あまりにも真実が書かれている。

ジャンルで言うと、自己啓発本。

タイトルにもあるように、「人生で成功できる法則」が色々と書かれてあるのだが、こう書くとよくありがちなちょっと胡散臭い類の本だと思われるかもしれない。

だが、この本の違う所は「エビデンス」主義であるということ。

よくある自己啓発本というのは、著者の個人的な経験から「私はこうやって成功した」というものや、歴史や哲学、宗教などを根拠に、歴史上の人物が「この時こうした」というようなことが書かれているもの。これらの啓発本には根拠(エビデンス)がない。

でも本書はエビデンスベースなので、科学的観点から「成功する方法」が書かれている自己啓発本なのである。

しかも、この本はかなり面白い。著者のエリック・バーカーさんがかなりユニークな人だからだ。

これはバーカーさんのブログの中に書かれていたことであるが、彼は学生時代に日本語を学んでいたそう。最初の日本語の授業の中で自分の名前が「馬鹿」だということを知り、落胆したのも一瞬のこと、これが痛く気に入ったバーカーさん。

その後自身のウェブサイトのアドレスをbakadesuyo.comにしているくらいだ。

この逸話からも彼の人格が伝わってこないだろうか。本書は彼のウィットに飛んだ冷静なツッコミが盛りだくさんである。だから面白いし、しかもいちいち正しい。

 

ここで、この本の中で印象に残った逸話をいくつか紹介しておきたい。

「最も不幸せな国」はモルドバ。モルドバ人の特徴は互いをまったく信用しないことらしい。

利己主義は自己の利益だけを追求して短期的にはいいかもしれないが、長期的に長くはうまくいかない。信頼感、協調心の欠如はモルドバを利己主義のブラックホールに変えてしまったという。

逆に言うと、信頼のある人間関係を築くことができれば幸せでいられるということ。成功に近付くことができるということだ。自身に置き換えてみたら、ご納得いただけるのではないだろうか。

また、幸福の四要素は、幸福感・達成感・存在意義・育成の4つ。この4つに仕事やプライベートを通して定期的に貢献している状態がいいという。

本書の中に仕事をしていないと不幸と感じやすいとあったが、仕事をしていなければこの4つをバランス良く行うのが難しいことが関係しているのだと思う。専業主婦時代の自分を振り返っては「なるほど」と思った。

最後にこれは自分のメモ書きとして書いておきたいのだが、自分の人生を選び、生きる科学的手順。

それには、計画を立てることが何よりも重要だということ。

「アラインメント(調整すること)」も重要で、「自分はどんな人間」で「どんな人間を目指したいか」の2つを加味しつつ、そのバランスを調整することだ。

そして、自分が望むような人になっていくのを助けてくれる友人や愛する人たちとつながること。トップを目指すのではなく、なりたいものをピックすること。

今までなんとなく感覚的に取ってきた行動の科学的な根拠が与えられ、脳内「へー」「なるほどー」ボタンを押しまくりである。しかも足りない部分までたくさん書いてある素晴らしい人生のテキストブックなのである。

ただし、この本は400ページもありちょっと長い。長い本はとっつきにくいという方は、まず「序章」を読んで、その後「結論」、そして第1章に戻っていくのがおすすめだ。

「結論」の章では、「本当に人生を成功に導く法則は何か」について、この内容盛りだくさんの本の中に書かれていたことが非常に端的にまとめてある。

興味のある方はぜひ読んでみてほしい。

Written by 藤村ローズ(オランダ)

この投稿をシェアする

イベント・セミナー一覧へ
コラム一覧へ
インタビュー一覧へ
ブックレビュー一覧へ
セカウマTV一覧へ
無料登録へ