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史上最強の哲学入門 飲茶著

2018年12月19日

最近何かについてじっくり考えてみたことはありますか?

日々の生活では、効率を重視して、取るに足らないことを熟考したり、考え方について考えるというようなことってなかなかないですよね。

私も子育てをしながら仕事をしているのでいつも効率重視、非効率なことを長らくしてきてないような気がします。

たまには教養の一つとして哲学にでも触れようと、現代風にわかりやすく記載された本を読んでみたのですが、それでもまだ難しくてピンと来ず。

いくつかの哲学本を読んでみて、「なんだか違う」と思っていたところ、友人が哲学の入門書としてこの本を薦めてくれました。

正直、表紙の絵が好みではないし、ベタなタイトルで、薦められなければまず手に取ってみようと思わなかったでしょう。

ところが! 読んでみたら非常に素晴らしい本でした!!

これは哲学の知識が全くない人にもオススメです。

教養の一つとして、また、これからどっぷり哲学の世界にハマりたい人にも、最初に読む哲学を知る本として最適です。

 

本の構成は、真理、国家、神、存在というテーマごとに章が分かれており、それぞれの思想に関連する31人の思想家が登場します。

思想が生まれた背景や、思想家の人物像などが描かれているのですが、簡単な今風の言葉が使われているのが特徴でわかりやすく親しみが持てます。

例えば、「ルネサンス」のことは「古代の栄光を取り戻そう運動」。

フッサールという思想家の考え方は、「そんなことは証明不可能だから、考えるだけ無駄だ!」「そんなことは思い込みにすぎない!」「いっこうにかまわん!」などなど。

ユニークな表現に思わずくすっと笑ってしまいながらも、とても分かりやすくて納得してしまいませんか?

私は特にフッサールの考え方が、取るに足らないことを考えることを面倒くさがる自分とかぶって親近感が湧きました。(彼は考えて考えた上で出している言葉なので、考えもしない私とは根本的に違うのですが、、、)

思想家たちの、人間臭さや放蕩具合が文章から垣間見れて、同じ目線で物事を見ることができているような感覚になります。

著者の「飲茶」は、哲学や科学など、敷居の高いジャンルの知識をわかりやすく解説したブログを立ち上げて人気となり、出版に至ったようです。

面白楽しく読み進めていきながら、本の最後には、存在価値についての9行が、ズシンと心に響き、締めくくられました。 なんとなく哲学が気になる方は、娯楽の一つとして、気軽に読んでみては?

きっと世界が広がりますよ。

Written by 土屋 芳子(マレーシア)

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